感謝の気持ち
生前葬というスタイルの珍しい式典に行ってきました。
「生前葬とはどんな形式のものなのだろうか」と思っていましたが、会場に入ると「感謝の集い」というタイトルの壁紙が掲げられていました。
意味するところ、「これまでの人生でお世話になった人への感謝の気持ちを表す」式典というものだと思います。
もう少し飛躍的な解釈をすれば「生きている間に、これまでお世話になった皆さんに感謝の気持ちを伝えたい。言葉を交わしたい」という主旨のものだと思います。
参加した多くの人は「主催者から感謝の気持ちを伝えてもらうのではなくて、私達の感謝の気持ちを伝えたい」と感じていたと思います。
感謝の気持ちは一方通行ではなくて双方向性のものであり、与えられるものでもあり与えるべきものです。
そんな感謝の気持ちが会場内で行き交っていました。
テーブルの配列にもその気持ちが表れていました。
主催者のテーブルに着席しているのは看護師さんと介護士さん達でした。
手術と入院治療中に担当してくれた看護師さんが主催者の両側に座り、現在もお世話になっている介護士さん達がその周囲に座るテーブルとなっていました。
命を助けてくれ支えてくれた皆さんを主賓席に招き、感謝の集いの意味を明確にしているように感じました。
そして挨拶に立った皆さんの話から感謝の気持ちが伝わってきました。
- お寺のリフォームを考えている時、知人の紹介で知り合いました。お寺は特殊な建て方をしているのでどうしても建築費が高くなります。安価にしっかりとした建築をして欲しい依頼に対して、「しっかり仕事をしてくれました」というものです。儲けることよりも仕事を残すことを第一に考えているような成果を出してくれました。この仕事ぶりから、このリフォーム以降の仕事は全て任せています。
- 自分のことよりも人のこと、地域のことを考えている人です。自宅を訪ねると、常に地域の話をしてくれました。時には文章で、時には地図を引っ張り出して地域の課題を抽出したものを改善しようと考えていました。
- 大病を患いましたが執念で復活したのは凄いことだと思います。その後に生前葬の企画を聞きましたが、それが実現していることも凄いと思います。皆さんに感謝の気持ちを伝える会となるので私達も感謝の気持ちを伝えましょう。
皆さんから聞かせてもらった主な言葉ですが、ここからたくさんの感謝の気持ちが伝わってきます。
この「感謝の集い」はこれまで関わった皆さんへの恩返しの気持ちを表現したものです。
参加者の歌と演奏、自然に発生した踊りなどからたくさんの感謝の気持ちをいただき、そんな皆さんに感謝の気持ちを伝えてきました。
会場の雰囲気から、主役はステージに上がった人ではなく参加した全ての人だったように感じます。
今日の皆さんに感謝の気持ちを伝えます。
ありがとうございます。