名古屋・岐阜のコピーライター小澤です。
2020年3月15日に放送された「林先生の初耳学 」。ここで面白いキャッチコピーの事例が放送されたのでご紹介しましょう。
番組内にて紹介されたリサイクルショップのお話です。実はリサイクルショップが扱う商品の中で、なかなか売れない問題児がいます。それが「中古ベッド」なのだそうです。
売れない理由
中古ベッドが売れない理由は、以下の通りです。
●売り場面積を圧迫する。
●高額商品なので売れるまで時間がかかる。
●他人が寝ていたことへの抵抗感
こうした理由により、買い取りを断るリサイクルショップもあるほどです。しかし、あるリサイクルショップでは、1枚のPOPにて中古ベッドの売上が倍増しました。その中で使われたキャッチコピーが、これ。
どんな高級ホテルだって、ベッドは新品じゃないよ。
確かにホテルのベッドは、新品ではありませんよね。読み手に対して、「確かに、そうだよな」という気づきを提供しています。
気づきをどう提供するか
今回の場合、他人が寝ていたことへの抵抗感をいかになくすかがポイントでした。それを上手くクリアするほどの気づきがあったということです。
リサイクルショップに限らず、早く売りたい場合には「安くする」方法をとります。しかし、安くすれば売れるものでもありません。むしろ価値を下げてしまうので悪循環になってしまいます。
今回のような「気づき」を提供すれば、お金をかけずにモノが売れる。まさにキャッチコピーが本領発揮した例といえます。広告でも、この手のキャッチコピーもあります。たとえば…、
空気が汚れているから、
今日は呼吸しません。
というわけにはいかないから。
[日本製作所]
お母さんを
育てるのは、
赤ちゃんです。
[講談社の雑誌「えくぼ」]
午後11時は、
親の真夜中。
[ヘーベルハウス 二世帯住宅]
視野を広げてみよう
どれも「気づき」を提供しています。キャッチコピーは、気を引くことが目的。今回のタイプは、「気づき」によって気を引くだけでなく、納得させています。とても素晴らしいキャッチコピーですね。
さて、あなたはキャッチコピーを書くとき、商品ばかり見ていませんか? 商品のメリットを表現するのは正しいことですが、ときには視野を広げてみるのも方法の一つです。
「どうして、そうなのかな」と疑問を持ち、モノゴトを見つめると今回のような発見があるかもしれませんよ。