SPプロデュサーにいよいよ会う。 | 世界の映画祭へ挑戦 世界中で劇場公開を目指して

世界の映画祭へ挑戦 世界中で劇場公開を目指して

(・ω・)ノこのブログはカメラ片手にバックパックを背負い世界4カ国へ渡航し完成させた長編映画とそれにまつわる日々を綴っています。世界中のあらゆる国際映画祭に参加し劇場公開を目指す、勝つか負けるか?生きるか死ぬか?崖っぷち日記です。

今日、いよいよSPロケの要となるプロデュサーと会う。彼女の名前はベアトリス。撮影に関して初打ち合わせを行う。ここまでの道のりが...長かった。一時はどうなる事かと思ったけど、そんな一時はいくらあっても慣れるという事は決して無くて、やはりいつも冷や汗をかいてしまう。ここまでがまず長かった...

夜8時、ベアトリスは、忙しいスケジュールと渋滞をくぐり抜け、茨城県人会まで来てくれた。絵コンテなどの資料を見ながら打ち合わせしたかったので広い場所が必要だったのと、自分が待ち合わせ場所を指定されても辿り着ける自信が無かったためでした。

車でやって来たベアトリスは、茨城県人会施設の真ん前に路駐していた。路駐がものすごく不安らしく、隣の私営駐車場にわざわざ車を停め直した。夜8時以降でも強盗がかっぽするサンパウロ...そしてそんな地域に住む自分...ありえない。

実は、今日までベアトリスと会った事はなかった。一年前から彼女とe-mailで連絡を取り、大まかな話は済ませて来た。ベアトリスはいつも大変お世話になっている友人から紹介してもらった方で、ブラジル映画業界で、すてにプロのプロデュサーとして仕事をしている人だ。実際、彼女のような人が自分の自主制作映画を本気でプロデュースしてくれるか、自分の側にのみ不安な要素もあった。でもそんな不安要素は彼女に会ってすぐ吹っ飛んだ。

彼女は「はじめまして」と挨拶し彼女は社交辞令の世間話といった前置きは一切せず、バックからメモ帳を取り出し、流暢な英語で、どのようにプロデュースしていくか?撮影スケジュールは?クルーは?機材は?ショットリストは?とガシガシ僕の話を聞きながらメモを取って、ドンドン予定を決めて行く。彼女の姿は圧巻だった。プロの物腰だった。一番嬉しかったのは、自分の映画を自主製作として扱うというよりも一つの作品として愛情を注ごうとする彼女の姿勢だった。「良い美術監督がいるから紹介するわ」「セカンドカメラが欲しいの?じゃあ、私のPD150使って。予算軽減出来るでしょ?」「良いロケーションがあるの。来週連絡するから見に行きましょう」「予算は極力無駄のないようにゼロで済むものは済ませましょう。」テキパキ、テキパキ話を転がして行く彼女は、小さな巨人だった。

彼女との初ミーティングは3時間で終了し、そのたった3時間でSPロケのゴールまで見えてしまった。すなわち、彼女が全てを引き受けてくれたのだ。何よりも嬉しいのは、そのプロデュース力と早さだ。僕のしっちゃかめっちゃかな要求に嫌な顔せずすべて豊かに消化する彼女の経験にはありがたい・・・日常で英語が全く通じないこの地で、彼女のような存在は何者にも代え難かった。彼女さえいれば、SPロケは成功すると、そう確信した。

Film makerに人種や国籍は関係ない。どんなにルーズな国民性を持つ国であっても、Film makerはタフで責任感がある人種なのだ。最終撮影地、サンパウロ。この地での撮影成功の可能性大きく飛躍した。ガシガシ行きます。


ただ、一つ肝を冷やした彼女からの言葉


「もし脚本を読んでつまらなかったらプロデュースする気は無かった」


ちなみに、彼女に脚本を送ったのはブラジルに来てから。


もし彼女が脚本をつまらないと判断していたら、・・・