介護では、利用者さんが不快に感じることや、
ここでは、
ふみさんの場合、耳が遠いことから起こる不安がありました。
ある日、
すると、
「帰るならキッチンの電気を切って帰って!」
と言っています。
「わかりました。大丈夫ですよ、ちゃんと切って帰りますよ」
そう言いましたが、ふみさんは顔をしかめて、
「え?! 何?」と言います。
私は「あっ」と思いました。
ベッドに寝る時に補聴器を外すので、
「大丈夫、消して帰りますよ」
と身振り手振りを交えて言うと、
「OK」と言います。
ですが、キッチンに戻ると、また叫んでいます。
聞こえないことが、
ベッドルームには、
電気のつけっぱなしに厳しいふみさんは、
仕方なく、繰り返す叫び声に大急ぎで用事を済ませ、
電気を消して真っ暗にすることで、
また、ふみさんは耳が遠いだけではなく、
ふみさんは野球が好きで、ドジャースファンでした。
私はちょっとした話題のつもりで、
「ドジャースは最近勝ってますか?」と聞きました。
「何?」
私はもう一度、同じ質問をします。
「ああ、Dodgers!日本人はどうしてドジャースっていうの?
Dodgers、『ド』じゃないのよ」
ふみさんの発音は、「ド」と「ダ」の間のような音でした。
私はそれ以来、ふみさんの前では「ドジャース」
昼間、テレビを見ていると、
「主人が真面目で頭の良い人でね、事業を随分大きくしたのよ」
「まあ、いいですね〜」
「だからお金はあるの」
「子供達が食べ物を買ってきて冷蔵庫に入れて行くでしょう?
私のカードを渡してるから、
「そうだったんですね」
「主人が頑張ってくれたからね」
ふみさんは誇らしそうに、でも少し寂しそうな声で言います。
ふみさんお一人では、とても大きすぎるこの家の中で、


