福岡県粕屋町役場内で発生した、長年に渡る女性職員へのハラスメント。
それにより女性職員が休職に追いやられた事案。
ハラスメントがあったかどうか、を判断するために役場内に設置されたコンプライアンス委員会。
委員会は、7名で構成し、1名の外部の弁護士を除き、役場の幹部職員で固められた、実質は役場の内部機関。
その委員会が出した結論は、ハラスメントは認められない。
しかし、その後、コンプライアンス委員と女性職員の電話による音声記録の存在が明るみに。
その音源には、そのコンプライアンス委員がハラスメントをしたであろう人物への聴取の中で、その人物がハラスメントは認めている、とある。


「ハラスメントを認めているのに、ハラスメントは認められない」。
 

この意味をどう解釈できようか?
これが粕屋町役場のコンプライアンス委員会の出した、難解な結論である。
国語力のない、私にも理解できるように説明してもらいたいものだ。
 

さて、4月24日付け、西日本新聞社の朝刊記事によると、粕屋町役場は、休職者に対し、分限処分を5月31日付けで考えているようだ。
ハラスメントを行った者が職場に残り、ハラスメントを受けた者が職場を追い出される、という理不尽が許されるのだろうか。
正義とは?
 

長年に渡るハラスメントを受け続けた女性。
女性職員は、たびたび、上司に対応を求め、それでもハラスメントは止むことなく継続して続いたという事案である。
休職に至った理由が女性本人の責にして良いのだろうか?
ハラスメントを長年に渡り行った者の責任は?
上司に相談しても改善されず、ハラスメントに適切に対応しなかった粕屋町役場組織のあり方に問題はなかったのか?
 

この事案は、誰にでも起こりえる現象ではないのだろうか?
殆どの女性は、泣き寝入りをして、辞めていかざるを得ないのが今まで。
しかし、この女性は、自分だけの事ではなく、今なおハラスメントで苦しんでいる職員のため、また、今後、自分のような潜在的なハラスメントの被害者を出さないためにも粕屋町役場と戦う覚悟であられる、と聞く。
 

最後に、私は、この事案に関し、議会の一般質問で、4回質問を行っている。
その中で、全ての回において、誰もが客観的に判断できるように、第三者機関で調査するべきだ、と訴えている。
しかし、粕屋町役場は4回とも、ゼロ回答。
 

今回の西日本新聞社の記者の取材に、粕屋町長のコメントが掲載されてあった。
正直、失望した。
これが、リーダーが発する言葉かと。
内容は、「公務災害基金がハラスメントについてコンプライアンス委員会と異なる結論を出した場合は、第三者委員会での再調査を含めて検討する」。
つまり、コンプライアンス委員会が出した結論に疑義を持っていらっしゃらない。
コンプライアンス委員が発言した、音源をどのような認識で考えておられるのだろうか?
全く、不思議であり、理解できない、粕屋町役場の対応である。
!!!