比翼(ヒヨク)を襦袢に | 加寿利屋“日誌”

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比翼とは黒留袖、色留袖の内側につける、重ね着風に略式したものです。





ひと昔前は、必ず襦袢の上にもう一枚白の着物地、あるいは、やや薄生地を着て、その上に留袖を着ていました。




いまや式場等で着せる側の方も知っている人は少なくなりました。




重量感あるものを羽織ると身が引き締まり正式の場としてはいいのですが、重ねて着るのはやはり大変です。

しかし、未だ重ねて着る方も中にはいらっしゃいます!





今回、必要ではなくなった比翼を何とか利用できないかと言ったご相談でした。

生地に触れさせてもらった時に、非常にいい生地でした。



お客さんの意向も踏まえ、襦袢がいいのでは、という答えになりました。





しかし、身丈が足りなくなるので、必ず2カ所(写真黒枠)継ぎ合せて作らなくてはなりません。





継ぎ合せるにしても、お腹部分に縫い代をもってくるとお腹がゴロつき、着にくくなってしまうので、前、後ろをずらし、着用に支障のないように縫い合せます。




このように、継ぎ目が気にならなければ一枚正式に着られる襦袢となります。

生地は白なので一色かけてもいいかもしれないですね!



シミ抜き、洗い張りをし、新たな襦袢として生まれ変わります。


着物はほんとに経済的。

何とかなる所がとても魅力です!



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