明らかなご機嫌取りをするまーさんにも、更に腹が立つ。
普段そんなことする人じゃないのに。
食後にドーナツも買い込み、眺めの良い場所へ移動する。
食欲旺盛なカオルは、ドーナツもすぐに食べる。
お弁当の直後のドーナツ2個、かなりお腹空いてたんだなぁ。
甘い物まで食べて、やっと気持ちが落ち着いてきた。
体を触ってくるまーさんに応える余裕も、やっと出てくる。
合体して気持ち良くなり、熟睡する。
起きて、まーさんが「鰻、好き?」と聞いてくる。
「鰻は生臭いのが苦手だから、自分の好きなお店にしか行かない」と、答える。
そういえばまーさんは、鰻が好きだと言っていた。
9月のまーさんの誕生日には、鰻でもご馳走しようかしら?
プレゼントの物を考えるの難しいし。
去年あげたTシャツあまり着てないみたいだし。
「まーさん、誕生日にあげたTシャツ着てる?」
「ん、部屋着で着てるよ」
部屋着、、、外に着てきてよ!
その言葉にもモヤモヤする。
物をあげるより、食べ物の方が嬉しいかな?
そう思い、問いかける。
「まーさんの誕生日、鰻食べに行く?プレゼントで物は難しそうだから」
「うーーーん、実は鰻は妹が誕生日に連れて行ってくれるらしくて。プレゼントは気を遣わなくて良いよ、気持ちだけで」
という発言で、更なるモヤモヤが。
ふーん、妹と仲良いんだね、良いね。
ウチなんて姉妹仲悪いし。
まーさん妹と2人でご飯食べるのかな?
どんなこと話すんだろ?
清くんが家族仲が良かった事を思い出す。
家族の話されるのは、気を許してくれてるようで嬉しさ反面、その家族には勝てないんだなぁと悔しさ反面になるカオル。
つい愛情の分量を張り合ってしまうのだ。
そして自身の家族仲が悪いのもあり、羨ましさと妬ましさが出てくる。
なんかモヤモヤと感情がごちゃごちゃになり、涙が出てくる。
私は一体何にモヤモヤしているんだろう?
明確な理由がわからない。
「カオルさん、どうしたの?今日元気ないよね?何かあった?ちゃんと話して?」
まーさんは、機嫌が悪いではなく、元気がないと捉えていたようだ。
でもしっかり理由を聞いてくれようとする姿勢は好ましい。
けど、自分でもわからないこのごちゃごちゃを、どう話したら良いのか、、、