30代後半独身男子の一人暮らしの部屋。
それなりに生活感がある室内。
「結構綺麗にはしてる」と言っていたけど、カオルから見るとゴチャついてる感は否めない。
まーさんの部屋もこんな感じだったなぁ。
まーさんへの罪悪感も感じつつ、Nくんの部屋に腰を落ち着ける。
「カオルさんがこの部屋にいるなんて、不思議!」
妙な興奮具合のNくん。
そっと手を差し出し、カオルの指に絡ませてくる。
指を握り返すと「ハグしていい?」と、聞かれ頷くカオル。
「あぁ、カオルさんだぁ、、嬉しいなぁ」
Nくんはカオルを抱きしめ、本当に嬉しそうに息を漏らす。
んん?Nくんそんなに私とハグしたかったの??
そのまま唇を近付けてくるNくん。
キスだけで感じているNくんの様子に、過去を振り返るカオル。
Nくんは感じやすいM気質な男子なのだ。
その反応が新鮮で、カオルのSスイッチが入る。
胸や背中を触るだけで、良い反応が返ってくる。
この感じ、懐かしいなぁ。
お互いに胸や下半身を触り合い、感じ合う。
カオルの言葉攻めにも、従順に答えるNくんに、ゾクゾクしてくる。
ちょっと楽しいかも、、、
ハグだけして、さっさと帰ろうと思っていたのに。
今や合体寸前のカオル。
いけない事をしている意識が、燃え上がらせていることは間違いない。
しちゃいけないことは、したくなる。
そんな自分の性癖を実感しながら、Nくんとひとつになる。
硬さも形も良い感じで、騎乗位で好きに動きイくカオル。
Nくんも対位を色々と変え動くが、中ではイカないかも、と言う。
手でして欲しそうなNくんに、一気に面倒くさくなるカオル。
好きでもない男に、そこまでする義理はない。
自分はイッたくせに勝手だなぁと思いつつ、そそくさと帰る準備をするカオル。
しかし、上手く甘えてくるNくん、さすが三人兄弟の末っ子である。
しょうがなく手でしてあげる。
すぐにイキ、満足そうなNくん。
そうだ、そうだった、Nくんはこういうイキ方をするんだった。
5年も前のことだから忘れていた。
好きな時は何でもしてあげたいと思うけど、今は面倒に感じる。
だがNくんは満ち足りた表情で「カオルさんに会えて本当に嬉しかったよ。最後にハグさせて」と、愛おしげな手つきで抱きしめてくる。
不思議、本当に不思議。
セックスをする為なら、5年ぶりの女にも、こんなに気持ちが入るのだろうか??
すごく熱のこもったキスとハグで、目の前の男の心境が不思議になるカオル。
誰もいない時だったら、またNくんにハマるのかな?
でも過去の人には、やっぱり興味が出ないなぁ。
私の手を一度離した男だもの。
今好きなのは、まーさんなんだよなぁ。
それを実感したNくんとの時間だった。