勝手にチャレンジしている話をするのは良いけど、同じ熱量を求められるとキツいなぁ、、

ただ20年もこの熱量で生きてるシンちゃんに、感心はする。

今は自分のお店の事に夢中なようで、熱心にスイーツ作りについて語っている。




ふむ、シンちゃんに邪な想いは無さそうだな。

恋愛や結婚の話は出てこない。

自分のお店やしたいことの話題に真剣である。

ホッとしたような肩透かしをくらったような、複雑な面持ちのカオル。




死生観や宗教の話題になった時には、変なことに勧誘されないか身構えてしまった。

聞けば奥さんとは、その宗教の繋がりで出会ったという。

場所を変え、ソフトクリームを食べながら、結婚生活の話をする。




自由にやりたい事をするシンちゃんと、保守的な奥さんは性格が真反対らしい。

ただお互い性格は変えられないから、諦めて尊重し合っているとのこと。

奥さんはサバサバしていて、共感をしてほしいシンちゃんとは合わないんだとか。




だからもう奥さんには、そういう部分は求めずに、外に共感し合える友達がいれば良いかなと思ってる、とのこと。

なるほどねぇ、それはそうだよね、とカオルも納得する。

シンちゃんは独身時代に恋愛たくさんしてきたかと思いきや、そうではないと言う。




自分のやりたい事に夢中で、そんなに恋愛はしてこなかったと。

そうなの?すごい遊んできたのかと思い込んでたけど、勘違いだったのかな??

そっか、自分の趣味で忙しかったのかなぁ、、




帰りの車の中で「カオルン良い匂いがするね」と言われ、ドキッとする。

匂いの話題って、下心を感じさせるから。

夫婦や結婚の話題もして、何かしらそういう流れになるかと思いきや、健全に送り届けてくれる。




シンちゃんの真っ直ぐな眼差しは、気があるように勘違いさせるのだ、昔から。

「カオルンは全然昔と変わらなくて、透明感あるしなんか浮世離れしていて妖精みたいだね」

そんな風に言われると、ムズムズしてしまう。




何かしらのオス味と下心を感じながらも、シンちゃんは余計な言動は何ひとつせず送ってくれた。

「休みが合えばまたランチしたいね」

そう言ってお別れする。

実働時間3時間で、少し物足りなさを感じる。




あれ?私ったら、何か期待していたのかしら??

実際に手を出してきたら引くくせに、何事もないと残念に感じてしまう。

複雑な乙女心である。

そう思えるってことは、私少し元気になってきたのかな?




健康じゃないと、元気がないと、そんな風にも感じられないもんね。

うん、今私元気なんだわ。

良かった、今日の会合を楽しめて。