まーさんに電話して、いまいち愛情を感じられず心がスンとしたまま、今週のデート日を迎える。
そんなにテンションは上がらず、うだうだメイクしていたら、時間通りにまーさんが迎えに来る。
マスカラ間に合わなかったけど、もういっか。
前回のデートで高まっていた気持ちが、嘘みたいに落ち着いている。
でもせっかく会うんだし、楽しい時間は過ごしたい。
拗ねてツンとしてしまったら、後から後悔しそうな気もする。
車に乗り込むと、いつも通りのまーさん。
カオルは心はそう盛り上がってはいないが、スキンシップとるために、まーさんを撫でたり引っ付いたりする。
カオルからそうすると、まーさんは頬をムズムズさせて嬉しそうなのだ。
雨が降っているので、特に目的もなく海辺へ行くことに。
老舗の巻き寿司とお饅頭をテイクアウトし、お昼ご飯にする。
小雨になったので、海沿いを散歩する。
相合傘で密着する二人。
まーさんが後ろから抱きしめてきて、キスをする。
外に出ると、開放感からかエッチ度が増すまーさん。
動物みたい。
「先週のキスマークまだ残ってるね」
と、カオルの腕に薄っすら残る跡を見て、満足気なまーさん。
「写真とってあげる」
と傘をさすカオルを海を背景に撮影してくれる。
まーさんのカメラフォルダにカオルが増えていくのは、嬉しいことだ。
車に戻り、人気の無い場所に移動して、ひとつになる。
丁寧に愛撫してくるまーさんの手つきと熱い目線で、気持ちを感じることができる。
そう、体を重ねればそれで全てがわかるし伝わってくる。
お互いに満足して、熟睡する。
この至福の時間があれば、先週の電話のモヤモヤなんて全て吹き飛ぶ。
そもそも自分がそこまで電話したかった訳ではないのに、電話したのが良くなかった。
変な依存や執着はやめて、自分の時間を大事にしていれば良かったのだ。
電話の日以降は、LINEをしている時以外は、まーさんのことなんて忘れて過ごした。
そしてそのまーさんと切り分けた日常で、自分のことだけに集中していたら、だんだんどうでもよくなってきた。
相手軸になっちゃうと疲れるよね。
昔はそんな恋愛ばかりしていたけど、やっと自分軸の恋愛の仕方がわかってきた気がする。
24時間相手どっぷり、恋愛どっぷり、浸かっているのはしんどいよ。
自分がお留守になってしまう。