まーさんにそれだけ想われてるって、感じたかったんだ。
会っていない時でも、常に私のこと考えて、淋しく感じてくれている、って思いたかったんだ。
だから都合よく、まーさんの言動を解釈したんだ。
「月曜にデートしたら、火曜には淋しい気分になることはあるよ。けど金曜まで来たら、また月曜に会えるからあと少しだなぁって思うよ」
そう言われて、まーさんも淋しく感じてくれるんだ、と嬉しくなったのに。
カオルが結婚していて、まーさんはその事で繋がりを感じられず淋しい想いをしているんじゃないか?などと、過去の自分と重ね合わせていたのに。
そんなことはなかったようだ。
やっぱりまーさんは自分時間が大事で、カオルが思うようなベタベタした付き合いを望んでいる訳ではなさそうだ。
何を勘違いしていたんだろう、、私?
自分と同じくらい、同じように相手に想っていて欲しかったんだな、私。
だからまーさんが電話したがっている、共通の趣味を持って繋がりを求めている、と思い込んでいた。
でも違ったみたい。
電話もLINEも、カオルに合わせてのことだったみたいだ。
なーんだ、バカみたい、私。
何を一人で盛り上がっていたんだろう?
淋しい想いをしているまーさんに電話してあげなきゃ、なんて勘違いも甚だしい。
まーさんは私とは違う。
違う感性の人間だ。
あーあ、こんなことなら見たいドラマに集中していた方が、よっぽど良い時間が過ごせた。
相手の為にとした電話が、相手の為になってなくて、何なら付き合わせていたなんて、、
ひとつもお互いの為になっていない。
カオルだって今日は別に、淋しくも何ともなかった。
自分一人の時間を有意義に過ごし、ドラマを一気見している最中だったのだ。
それをわざわざ「まーさんに電話しておいた方が良いかな?まーさんは繋がりを求めていそうだし?」と電話したのだ。
なんという勘違いだろう、、、
哀しいやら虚しいやらモヤモヤするやら。
相手の気持ちなんてわからない。
相手を慮ってする行動は、ロクなことにならないな。
相手軸で考えちゃダメだな、ちゃんと自分軸で行動しなきゃ。
カオルはまーさんに電話したことに、後悔した。
自分がそこまで電話したい訳ではない時は、しなくていいんだ。
あーあ、またブレたなぁ、、、
そして、なんだか気持ちが冷めちゃったなぁ、、
まーさんがそこまでの気持ちが無いと思うと、自分もしらけちゃうなぁ、、
恋愛はどこか、相手の熱量で盛り上がりが左右される気がする。
自分の気持ちより、相手の好きが多いと、それに着火して燃え上がってしまう。
相手も酔っ払ってないと、自分も酔えない。
今度のデート、私楽しめるかなぁ、、
なんか気持ち冷めちゃったよ、、
妙に心がスンとするし、自分が淋しくなければ電話するのは二度とやめようと決意したカオルだった。