過去、趣味が一緒の彼氏などいなかった。
夫とは漫画が好きという共通項はあったが、それも一緒に何かをするというものとは違う。
なのでまーさんに聞いてみる。
「まーさんは元彼女と一緒の趣味とかあったの?」
「まぁ、ゴルフを一緒にしたことはあるけど、相手が下手だったから盛り上がらなかったかな」
などと言う。
ほら、やっぱりそうなるよね。
無理に相手に合わせてやってみたところで、相手のレベルに達しないと一緒にプレイしても面白くはないのだ。
「じゃあ私がゴルフするって言ったら、まーさん教えてくれる?」
「うん、教えるよ。あ、でもプロに教えてもらった方が上達は早いかも。素人が教えても難しいしなぁ、、」
プロに習いに行ってまでゴルフがしたいとは思わない。
まーさんにイチャコラと教えてもらうなら良いけど、本気でプレイするのは無理だ。
本気でやるほどゴルフに、興味は今のところ持てない。
なんだろ?マンネリを感じてるから、そんな事提案してきたのかな?
「私は今のままでも楽しいよ。まーさんは何か違うことしたいの?退屈してる?」
「いや、そうじゃないけど。一緒にできることがあったら、共通の話題になるし。ほら、ドラマみたいに。でもドラマは好みがあるから、毎回一緒のモノ見るかわからないし、、」
「だよね、まーさんと私は好み違うもんね。でもそれでも良いと私は思ってるよ。一緒のモノ見てなくても、自分が面白ければその話をするし、まーさんの話も聞きたいし。無理に趣味が一緒じゃなくても、お互いの話きくの楽しいよ?感性は違ってて良いと思うし。それより、セックスや食べる事が好きとか、そういう欲求が合うことの方が私は大事だよ」
そう、趣味なんて違ってもいいのだ。
それぞれ好きなことをすれば良い。
だが、三大欲求の何を大事にしているかは一致していた方が良い。
食べることやセックスに興味のない人とは、一緒にいても楽しめない。
夫や過去の恋人たちとの関係性で、カオルはそう感じてきた。
夫婦でスポーツやゲームをする人達を素敵だなぁとは思うが、そこまでベッタリ好みを一致させる必要もないかなとも思う。
カオルの好みが女性らしいものが多く、大体男性の好みと合わないから、というのも大きな理由だ。
ダンスを習ったり、絵を描いたり、モノづくりしたり、本を読んだり、カオルの好きな事は大概一人で事足りるのだ。
その旨を伝え、過去に清くんとゲーム上で連絡を取り合おうとしたけど、上手くいかず哀しい気持ちになったことも、打ち明けた。