栄養ドリンクと薬と気合いで、風邪症状がマシになったので、まーさんとデートする。

午後からは仕事なので、朝から会うことになっている。

待ち合わせ場所に車を走らせる。

いつも10分程遅れるまーさんだが、今日は時間通りに着いたよう。




逆にカオルが10分程遅れる。

だが、自分が早く着いてイライラするよりは、相手に待っていてほしい。

特に体調が良くない時はイライラするので、先にまーさんが着いてくれて安心する。




これについては自分勝手だろうとなんであろうと、相手を待たせる方が良い。

自分が早めに着いて苛立ちを募らせることほど、不調和を起こすものはない。

前回のデートで強く感じたことだ。




2週間ぶりに会うまーさんは、相変わらず飄々としている。

特に嬉しそうにするでもなく、テンションが上がっている様子もなく、「どこに行く?」と淡々とした態度に見える。

会えて嬉しいのは、私だけなのかしら??




嬉しいけど、カオルも本調子ではないので、テンションは低めだ。

しかも昨日電話で話したので、会話もそこまで弾まない。

とりあえず近くのスーパーで弁当や飲み物を買い、海の見える駐車場へ向かう。




昨日の電話のことを聞いてみる。

話したかったのか?眠かったのか?

切りたかったのか?切りたくなかったのか?

「うーん、確かに眠かったけど、別に話したくない訳じゃないよ。カオルさんは切りたかったの?」




「いや、私は声聞きたかったけど、まーさんが無理してるんじゃないかなと思って。私に付き合ってくれてたんでしょ?」

「うーん、まぁ、そうかな…。よくわからない…。その時の体調にもよるし」

その答えを聞いてガッカリする。




カオルさんの声を聞きたかったんだよ、話したかったんだよ、そう言って欲しいのかな?私。

でも私が喜ぶからと、白々しい嘘を言われるのも、イヤだしなぁ、、、

はぁ、私ったら、まだまだ体調良くないんだろうなぁ、、、




弁当でお腹いっぱいになり、横になる。

今日はもう生理だし風邪気味だし、何もせず寝よう。

まーさんも自分から手は出してこないだろう。

まーさんの腕の中で眠ろうとするが、なんだか落ち着かない。




会話も盛り上がらないし、テンションも低いままだし、このまま寝て時間が過ぎるのは淋しい気がする。

「キスして?」

まーさんの頬に唇を寄せる。

天邪鬼のまーさんは最初は避けようとしたが、すぐに応えて口付けてくる。