生理がきた挙句に風邪をひいたカオル。

まーさんとのデートを明日に控えているのに、体調が優れない。

栄養ドリンクと薬を飲んで、多少マシにはなったから、明日は会えるかなぁ。




前回から二週間近く空いているから、会いたい気持ちはある。

明日を逃せば、三週間空くことになる。

さすがにそれは淋しいかなぁ。

でも体調に不安があるなぁ。




うにょうにょした気持ちを抱えながら、まーさんに電話をする。

いつもながら淡々としたまーさんの声。

仕事が終わり帰る所だったようだ。

久しぶりすぎて何を話せばいいかわからない。




脳みそも回らないし、喉も痛くて、話す意欲がないカオル。

まーさんも電話の向こうであくびを噛み殺していて、疲れてそうだ。

これは早く切り上げた方が良いなぁ。

そう感じたにも関わらず、なんとなく会話は続いていく。




途中「そろそろ帰る?」と、まーさんに促すが、電話を切ろうとはならない。

カオルは特に話すことはないのだが、まーさんから切り上げようとはしないのだ。




「明日会えるの嬉しいよ」

「もし明日会えないなら、電話しようと思ってたよ」

「三週間空くのはさすがに淋しいよ」

と、聞いたら答えてはくれる。

カオルに言わされてる感もあるが。




明日会えるからしなくてもいいのに、テレビの話題などをして結果一時間も通話してしまう。

「もう帰る?眠いでしょ?」

と聞いても「うーん、カオルさんもう寝る?」と、電話を切りたくなさそうなまーさん。




あくびをしていて眠そうな声なのに、不思議。

「まーさん、どこで終わればいいかわからないね?」

「うん、自分でもよくわからない」

まーさんは、電話を切るタイミングがわからないらしい。




私も自分から切り上げるの苦手なんだけど、このままだとダラダラいきそう。

電話を切らないのは愛情があるから♡というのとは、少し違うようだ。

彼はあんなに好き嫌いや、やりたくないことがハッキリしている合理的な性格なのに、電話は切れないらしい。




カオルはすぐに、こういう行動で愛情を量りたくなるが、多分これは違うよね。

ただの性格だよね。

明日の朝起きれなくても困るから、電話を終わらせる。

また明日会った時に、電話のこと聞いてみよう。