少し体調もマシになっているのか、電話だからなのか、声色はしっかりと落ち着いている。
昨日は本当に弱っていたもんなぁ。
仕事のことを聞いてみると、、
「話してラクになるというよりは、話すことで余計に想像して嫌な気持ちになるから…」
と、口が重いので、そこに突っ込むことはやめにした。
仕事のストレス一人で抱えていたら、モヤモヤすると思うんだけどなぁ、、
男の人って仕事の愚痴、あまり言わないよね。
うちの夫くらいなもんだ、あーだこーだ言うのは。
「まーさん、心や体がキツい時は、ちょっとのことでも良いから言ってね。じゃないとひねくれた言動なのか、本当にキツいのかわからないからね」
「うん、ごめんね。でも自分でもわからない時があるから」
そっかぁ、自分で自分のことわからないのかぁ、、
そうだよね、自分のこと見つめたり内観したり、常々内側を見ていないと、わからないよね。
確かに私も宇宙理論知る前は、自分の心や体の動きに無頓着で、理由もわからずモヤモヤイライラしていたなぁ。
まだ仕事場にいるまーさんに気を使い、早めに切り上げようとするが、まだ話したそう。
「体調悪くても引っ付けるから、今度から引っ付いているよ。心がここになくても引っ付いてたらカオルさん淋しくないでしょ?」
「うーん、まあね」
自身の体調のキツさよりも、カオルの淋しさやモヤモヤを優先して改善してくれるまーさん。
「まーさん優しいね」
「今までの人はそうじゃなかったの?」
なんて冗談めかして聞いてくる。
「遠くに行かないで、ずっと側にいてね」
「うん、行かないよ。ずっとカオルさんの側にいる」
まーさんの未来ややりたいことを尊重したいけど、カオルはやっぱり離れたくない。
その本心だけは伝えておかなくちゃ。
強がって、良く理解している大人な彼女、みたいなことはカオルには出来ないから。
素直に正直であろう。
だってどんなにカオルがイヤだと言っても、変化が起こる時には起きてしまうのだから。
「モヤモヤした時はすぐに電話してね、心配だから」
「心配してくれてるの?」
「いつも心配してるよ。淋しくなったらいつでも電話して良いからね」
「じゃあ明日また電話しても良いの?」
「良いよ」
まーさんの優しい声音で、だんだんと気分が落ち着いてくる。
昨日のデートだけじゃ足りなかった充電が満たされてくる。
「大好きだよ」とお互いに伝え合って電話を切る。
なんやかんや一時間も通話していた。
まーさんも話したかったのかなぁ。
良かった、電話してみて。
やりたいことは、素直にしなくちゃね。
我慢は禁物だ。
自分のやりたいことは、相手のやってほしいことでもある。
そんな宇宙の法則を、しっかりと胸に刻むカオルだった。