「なんか親子みたい。私まーさんの子どもみたいだね」
「子どもだよカオルさんは。すぐ泣くし、甘い物食べたら機嫌良くなるし、無邪気だもん」
そう父親のような顔をして、よしよしと背中をさすってくるまーさん。
「カオルさんが思う以上に、オレはカオルさんのこと好きなんだよ。何かするときもいつもカオルさんのこと中心に考えてるんだから」
うん、嬉しいよ、その言葉は。
きっとそれは本心なんだと思う。
けど、いつか本気で変化を起こす時が来る。
その時は抗いようがないんだろうなぁ。
まぁでも、まだ今ではない。
そうなった時は、私だって次を向くしかない。
だっていつかは終わりが来るもの。
「カオルさんオレがいなくなったら、すぐ出会い系で次の男探すんでしょ?」
そんな冗談まで言ってくる。
そりゃあそうなったら、次に行くよ。
なんて心の中で答えつつ、近い未来なのか遠い将来なのか、想像をする。
哀しいなぁ、そうなったら。
まーさんとはずーっと一緒にいられるような気がしていたけど。
人生なんてどうなるかわからない。
ずっと同じ状態なんてあり得ないよね。
だからこそ、今のこの瞬間を大事にしなくちゃ。
マンネリしてきた気がしていたけど、この時間は永遠に続く訳ではない。
そうだ、もっと一瞬一瞬を大切に味わいたい。
まーさんとの時間を、今というこの時を。
ずっと一緒にいようね、と約束し合っても、本当にずっといられる訳ではない。
貴重な今のこのひと時を、しっかり体に刻みたい。
仮想の遠距離を想像したのもあり、別れ際にするエッチは盛り上がり、まーさんはカオルの首筋にキスマークを付ける。
カオルもまーさんの頬にキスマークを付ける。
お互いに快楽を得、スッキリして帰る時間となる。
「大好きだよ、愛してるよ」
そう伝え合い、強く抱きしめキスをする。
一生続けたいけど、どこかで終わりを予感させるこの関係。
刹那的で淋しくなるけど、それも宇宙の理なんだよな、と諦め気味な自分もいる。
離れることになったら、本当に本当に哀しいけれど、きっとそれを受け入れてしまうのだ。
当たり前の流れとして、飲み込むのだろう、きっと。