引越し後初めてのまーさんとのデート。
アパート近くのコンビニに迎えに来てもらう。
「夜は暗いからアパートまで送ってね」と言うと、「えー、暗くないよ、大丈夫だよー」とひねくれた対応をしてくる。
「大丈夫じゃない!街灯なくて暗くて危ないもん!」
「もー、ワガママだなぁ」
やれやれというように、まーさんはしょうがなさそうな口振。
天邪鬼は、素直に言う事を聞いてくれない。
まぁ、そうは言っても、ちゃんと送ってくれると思うけど、一旦こういうやり取りをしたいのが、まーさんなのである。
これAB型あるあるかな?
やり取りの中に、一捻り入れてくるのが特徴なのだ。
今日のデートは、せっかくカオルが市内東部に引越したので、この近辺を探索することに。
目を付けておいたお弁当屋とケーキ屋で、お目当ての物をテイクアウトし、植物公園へ行く。
5月の風はまだ肌寒いが、外のベンチでピクニックする。
温室の植物園を見て、園内をぐるりと一周散歩する。
いつもは歩くのを嫌がるまーさんが、自ら一周しようと提案してきた。
手を繋ぎ、一緒に日傘に入り、のんびり歩く。
のどかな平日の昼間。
公園にいるのは数組の親子や夫婦やカップル。
土日は混雑しているであろう場所で、こんなにのびのび過ごせるのは、贅沢である。
植物の緑に囲まれていると、落ち着いてくる。
普段、街中勤務のカオルとまーさんは、休日は自然を求めてしまう。
その後も木陰を求めて、車を走らせる。
強い紫外線を避け、木々の新緑がそよそよ揺れる様を眺めながら、車内でまったり。
衝動のままにひとつになった後は、深い眠りにつく。
起きた後、海が見たいと言うまーさんは、埠頭の先まで車を走らせる。
何度か来たことのある海岸の堤防沿いを、手を繋いで歩く。
干潮の砂浜に幾人かの人が、貝をとっているようだ。
遠くに波が打ち寄せている様を眺めながら、まーさんが後ろから抱きついて体を弄ってくる。
野性の本能スイッチが入ったのか、こんな場所で入れてくる。
変な所で繊細だし、変な所で大胆なのだ。
カオルも特に嫌がらず受け入れてしまっている。
まーさんに染まってしまったのか、元々その素質があったのか。
自然の中でできたら気持ち良いなぁと、感じるようになってきた。
古代の人は自然の中で交わって、さぞかし恍惚としただろうなぁ、なんて古代人にまで想いを馳せるのだ。