夕方になると、淋しさからか気が緩むのか、まったりと甘やかな雰囲気になる。

まーさんはカオルの胸に頭を埋めて甘えてくる。

まーさんが甘々になるには、どうも時間が関係しているようだ。

明るい内はどうしても、気が休まらないのかもしれない。




太陽が傾いてきて、光が弱くなると、素直なまーさんが出てくる。

天邪鬼の封印が解かれるのだろうか??

ツンからデレモードに切り替わり、イチャイチャにも拍車がかかる。





「そういえば、誕生日のネックレス注文したよ」

と報告してくれるまーさん。

去年のプレゼントがかなり遅れたから、今年は大丈夫だというアピールだろうか?

何にしろ嬉しい。

だって私がリクエストしなければ帽子にしてた、なんて色気がなさすぎるもの。




特別な言い回しはしないがストレートに「大好きだよ、一緒にずっといようね。一緒にいると楽しいよ、幸せだよ」と、伝え合う。

強く抱きしめ合い、その大きく温かな手のひらから、まーさんの愛を感じる。




見つめ合って話す時も、真っ直ぐに視線を注いでくれる。

今日はピクニックの時から三度も、カオルの写真を撮っていた。

三回目にエッチをする時も、写真や動画を撮る。

「カオルさんのパンティ持って帰っていい?」

と、まーさん。

二年前にもそんなこと言っていたなぁ、と懐かしくなる。




それが互いの興奮を高め合う。

ギリギリの時間まで愛し合い、抱き合い存在を感じる。

慈しみあい、可愛がる。

お互いを愛撫する手の動きが、柔らかくこの上なく優しくなる。




まーさんが頭を撫でてくれたり、耳をそっとなぞってくれるのを心地良く感じながら、身を委ねる。

赤ん坊のように子どものように安心しながら、身を任せる。

夫に対しての安心感とはまた違う感覚。




とにかく幸せを感じる。

「大好きだよ、愛してるよ」

と言い合えることに、絶対的な安心感を得られる。

100%身も心もオープンにしていいんだ、という全てを明け渡した安心感。




キスマークを付け合って、ちょっとした束縛感を出す。

まーさんは今日撮ったカオルの写真を見せてくれる。

不意打ちの横顔のキス写真。

…頬の下にシミがある、、、




なんだか一気に現実に引き戻される。

まーさんは「この写真エロくて良いよね」なんて、呑気なものである。

はぁ、肌悩みや体力の悩みも、まーさんにはわからないだろうなぁ、、、




せめてまーさんに引かれない程度には、綺麗でいないとなぁ。

すぐ気が緩んでしまうから、気をつけよう。

ありのままではいたいけど、綺麗な姿でもいたい。

歳を重ねていく自分の、葛藤する乙女心だ。




「なんか離れがたいね。今帰らないと、いつまでもこうしてしまいそう、、」

と、抱き合っているまーさんが意を決して、送ってくれる。

そんな態度に、カオルへの深まっている気持ちを感じる。




こってり濃厚にキスをして抱きしめ合い、車を降りる。

潤んだ瞳で見つめ合い、手を握りしめてバイバイをする。

新しい彼の一面をどんどん発見できて、まだまだ終わることはない二人の関係に、充実感を得たカオルだった。