まーさんからの真っ直ぐな瞳と、真っ直ぐな問い。
うわっ、そっか、やっぱり気になってたんだ?!
「昔の友達だよ、その時言ったでしょ」
「え、そんな事言ってたかな?カオルさんが何も言わないから、聞かない方が良いのかなと思って…」
「えっ、言ったよ〜。友達がやってるからサービスしてくれたった言ったじゃん。20代前半の頃に知り合った友達で、すごく久しぶりでビックリしたんだよ〜」
「ふーん、しかもカオルさんLINEか何か交換してなかった?」
あー、そこも見られていたかぁ、、、
しかも何気に質問が厳しめな口調。
そして追及がどんどん深くなっていく。
あら、これ結構本気な感じよね?
まさか、嫉妬してるってことなのかしら??
「うん、LINE聞かれたから交換したよ」素直に認めるカオルに、「何で交換したの?二人で会うの?次の相手にするの?」と矢継ぎ早に詰問してくる。
ドキッ!鋭いなぁ、まーさん。
この時点で、全てを話す事を止めることを選択したカオル。
あの日に聞かれていたら、過去に出会ってちょっと男女の仲になりそうだった、と告白するつもりだった。
ありのままを面白おかしく話すつもりだった。
だって20年も前のことだし。
けれども目の前のまーさんのテンションを見ると、それを口にするとどうなるかわからない未知の恐れを感じるカオル。
事実を話しながらも、必要の無い部分は端折っていくことにした。
「そんなことしないよ!お店には奥さんもいたんだよ。それに私はまーさんが好きなんだから、他の人に興味ないよ!」
「カオルさんは奥さんいるとか関係ないじゃん!じゃあ何で奥さんから見えない場所で、LINE交換したの?!」
うぅ、痛い所を突いてくる。
「営業のLINEだよ、きっと。あの人昔から愛想が良いし、男女問わず誰にでもああいう距離感なんだよ、友達多い人だったし」
「カオルさんにその気はなくても、あの人の方はそうじゃなさそうだったよ。なんか怪しかったもん!」
まーさんたら、あの時は全然興味ありません、みたいな態度だったのに、すっごい観察してたんじゃん!
しかも、シンちゃんの「その気」まで見抜いてる!
恐るべし、男の勘!
「あの人がLINEしてきたらどうするの?ご飯に誘ってきて、その後ホテルに行くの?!」
無きにしも非ずな流れを想定しているまーさん、さすが出会い系をしていただけある。