20代の頃の男友達シンちゃん。
一度だけ体の関係を持ち、その後17年ぶりに再会する。
友達関係が深い訳でも付き合った訳でもないし、なんの思い入れもなかったのに。
クレープ屋で接客されただけで、すごく気になってきている。
それというのも、LINE交換を促されたからだ。
奥さんがすぐ近くにいるというのに、こっそりとLINE交換をすることになったのだ。
そしてまーさんとまったり過ごしている最中、メッセージが届いていた。
お手洗いに立ったついでに、LINEチェックする。
シンちゃんからは「久しぶりに会えて嬉しかった」と、テンション高めな内容が。
まぁ営業メッセージかもしれないし、ここはカオルも「クレープ美味しかったよ、ありがとう」と送る。
それでも、久々に過去関係のあった男とのやりとりはちょっぴりドキドキする。
まーさんの元に戻っても、シンちゃんのことが頭を過ぎる。
こんな感覚久しぶりだなぁ。
最近まーさんしか見てなかったし、こんなに心がザワザワするとは。
ま、けど、何かある訳もない。
あのシンちゃんだし。
あの愛想が良さに騙されちゃうんだよね。
過去の思い出が次々と蘇ってくる。
付き合いそうにまでなったけど、付き合うには至らなかった。
結局縁がなくモヤモヤとしたままフェードアウトしたけど、こうしてまた再会しちゃって。
まーさんとバイバイして家に帰って、LINEを開く。
そこには、「今日は本当にカオルンに会えて嬉しかったよ。クレープの勉強もしたいし、オレの仕事もシフトだから、休みが合えばカフェやゴハンに行かない??」とのメッセージが。
わー!!これはお誘い?!
奥さん居たのに?!
え、友達として?
でもなんか目からオスの匂いを感じたんだけど、、、
うーーーむ、なんと返そう…
そこまで乗り気ではないが、ちょっと新鮮さも感じている。
リアルな関係の人と、こういうの久しぶりだしなぁ。
けど、奥さん見てるし、バレたら怖いよなぁ。
じっくり考えて、「休みが合えば食事できたらいいね」と、当たり障りなく返信する。
そして既読がついて終わっている。
うん、ただの社交辞令だったんだろう。
シンちゃんはそういう人だ。
にこやかで爽やかで愛想良いから、つい勘違いしそうになる。
これにやられた女子、過去にもたくさんいたんだろうなぁ、、、
自分のその一人だったんだろうなと、遠い目をするカオルだった。