まーさんと週に一度の恒例デート。
道行く桜を見ながら、お弁当屋へ行き、目的地のチューリップ公園へ。
満開の色とりどりのチューリップを眺めながら、車内ピクニック。
そしてカオルお気に入りのクレープ屋へ向かう。
最近クレープにハマっているカオルは、毎週のように夫とクレープを食べている。
すでに2.3回訪れているそのクレープ屋は、住宅街の中にある一軒家である。
カオルは車から降りて、店先に注文をしに行く。
何にしようかメニュー見て悩んでいると、お店の人が「これ新メニューでおススメですよ!」と、写真を出してくる。
店主らしき男性と目が合う、ん?なんか見たことある顔…
とりあえず会計の女性に注文をし、店主の人の顔をマジマジと見つめ、言おうか言うまいか迷ったが、つい口にしてしまう。
「もしかしてシンちゃん?」
「あ、やっぱりカオルン?」
店主の男性の表情がパッと明るくなる。
あぁ〜やっぱりシンちゃんだったかぁ。
彼とは20代前半の頃、合コンのような出会いで知り合い、何回かデートをした。
何回目かのデートでホテルに行ったのだが、何もせず終わったのだ。
その当時カオルは、11歳年上の既婚男性に夢中で、絶賛不倫中だった。
その辛い恋愛から抜け出したい気持ちもあり、シンちゃんとデートを重ねたのだが、いまいちハマれない。
消防士のシンちゃんは、小柄で顔はジャニーズ系で整っている。
人懐っこい笑顔で紳士的な態度で、女の子みんなに優しくしてそうで、チャラそうには見えないが、遊んでいそう…
付き合う前にエッチしたら、それだけで終わりそうだなぁ、、、
遊ばれるのは嫌だし、かといって付き合おうとも言われないし。
それに私、不倫相手が好きだしなぁ、、、
そんなこんなで、うやむやなまま疎遠になったのだ。
そしてその数年後、シンちゃんの友達である大ちゃんを紹介され、付き合うことになったのだった。
大ちゃんとは、何ヶ月という短い交際期間で終わり、その後色々あってカオルは夫と出会い結婚した。