出会い系13人目の男こういちに誘われ、ホテルへ行く。
なんのことはない普通にラブホテルだったが、カオルには初めて訪れる場所だったし新鮮さはあった。
「ネットで調べたら、眺めも良いし、食事メニューも充実してるようだったので」
と、こういちはドヤ顔でメニューを見せてくる。
なるほど、初めから行く気で調べていたんだな。
こういちの確信犯ぶりに呆れつつ、計画の綿密さに感心した。
豊富なメニューの中から、パフェを注文し、パクパク頬張るカオル。
食べ終わるとシャワーを促され、浴室へ行く。
確かに風呂場からの海が見える眺望は良い。
私、エッチするのかなぁ?
したいのかなぁ?
できるのかなぁ?
鏡に映る自分の裸を見て、問いかける。
そんなにしたいと思っていない相手に対して、体は反応するのだろうか、、、
前回エッチした不毛な相手ひろくんを思い返す。
まあ、こういちの方がマシか。
食事をご馳走しようという気概はあった訳だし。
仕事や家庭や婚外恋愛や趣味の話など色々して、なんとなく相手のことを知ったつもりになる。
自分のことをペラペラと話すこういちは、聞いてるだけでいいから、ラクではある。
だが、全てにおいて自分の計画ペースで事を進める。
その流れを乱すと面倒くさそうな雰囲気の男ではある。
毎度のことながら不思議なのが、こういう男にも婚外の彼女がいたということだ。
カオルから見て惹かれるところはサッパリないのだが、そんな男たちにも付き合っていた彼女がいたのだ。
本当に、好みのタイプとは様々なものである。
まあ、好みのタイプでもない男とエッチできるカオルも大概なものだ。
いつものように意識をぼかして、事に望む。
理論派計画男のこういちは、勝手に進めていってくれる。
何もしなくて良いっていうのも、ラクなのかなぁ。
好みの男には自分からエロモードで攻めていきたい願望もあるが、食指の動かない男には、何もする気になれない。
サイズ感やカタチは悪くはないようだ。
私が上で動くことにも、気持ち良く感じてくれている。
「すごい!この感覚はじめて!」
こういちはやたらに反応が良い。
反応良く、「はじめて!」なんて言われると悪い気はしない。
男性が「はじめて」と喜ぶ女子が好きなのも、分かる気がする。
乗り気ではなかったが、だんだんと感度が上がってきて、最後はかなり気持ち良く感じた。
意外と悪くはないかも。
相手にもその気持ちは伝わるのだろう。
こういちも満足そうに事を終えた。
「今度はゆっくり海の方で魚料理を食べて、ドライブしましょう!」
次も会う気満々のこういち。
カオルも、2回目もアリな気がしてきた。
体の相性が良いかも、と感じると途端に心が軽くなる。
たまーに会う分には悪くない相手かも。
始めと終わりで、印象が好転すると、気持ちも華やぐ。
仲良くできそうな相手は、なるべくたくさんいてほしい。
こういちを頭の中で、2回目もアリな男フォルダに入れて、カオルはまた次の男とのやりとりに精を出すのだった。