奇しくも夫とNくんのおかげで、自分の本当の望みが「恋愛をすること」だと気づいたカオル。
これ以上Nくんにアレコレ仕掛けても無駄なのはわかった。
男は追わせないとね、私が追いかけちゃダメだわ。
けど、どうしよう?
他に男のあてなんてあったっけ?
実はカオル、Nくんとのエッチに目覚めてしまい、体がどうしても誰かを求めてしまうので、連絡先に登録している男に片っ端から誘いをかけていたのだ。
そしてもう長年兄さん友だちとして仲良くしている、Tさんともエッチしてしまったのだ。
しかしこれは後悔しか残らなかった。
お互いに体の反応がイマイチで、全く気持ち良くもならず、微妙な雰囲気で終わってしまったのだ。
やっぱり異性として意識していない人とエッチしても、盛り上がらないんだなぁ、、
すれば良いって訳じゃないんだなぁ。
心と体の全く満たされないエッチで、虚しくなったカオルだった。
そんなこともあり、全くの新しいトキメキを求めて出会いを探していた。
職場の数少ない男性にもちょっかい出してみたり、本当に手当たり次第なカオルだった。
そんな中で管轄は違うけど別部署の、素敵な男性に目をつけた。
挨拶程度は前からしていて、ノリも悪くない人だった。
けど相手も結婚してるみたいだし、仕事上でのノリの良さだとしたら、私勘違いして恥ずかしいよね。
何日か悩んだけど。
いや、声をかけられて嬉しくない人はいないはずだ!
私だってNくんに連絡先もらって、嬉しかったもの。
と、Nくんの行為に勇気をもらって、話しかけてみた。
その別部署の男性は、私より2つ年下でK宮さんと言った。
仕事の話から、今度飲みに行きたいですね。
まで流れを持って行き、じゃあ連絡先聞いても大丈夫ですか?
と、スムーズにことを運んだのだ。
人生で初めてだったかもしれない、自分から男性に連絡先を聞いたのは。
すっごく緊張したけど、LINEを交換した時の喜びったらなかった。
やったー!私にもできるんだ!
勇気を出して話しかけて良かった。
何もしなかったら、何もないまま終わってる。
けど自分が行動を起こしたおかげで、一歩前に進んだのだ。
カオルは自分の行動を褒め称えた。
そう、恥ずかしくっても、恥をかいてもいいじゃん。
何も無いより、断然マシだわ!
こうして恋愛をしたいという自分の本望に、自分で望みを叶えるという行動を起こすようになったカオル。
ひとつ枠を超えていくと、今まで怖がっていた外の景色がなんてことない日常に見える。
こうしてカオルは、少しづつだけど「恋愛」というものに本気で行動をとるようになっていったのだった。