みなさんの周りには、ベジタリアンの人はいますか?
ベジタリアン=菜食主義ですが、乳製品はOKだったり、魚介類はOKだったりと、同じベジタリアンと言っても多種多様なルールがあります。ここ数年よく耳にするのはヴィーガン。肉だけでなく、魚、卵、乳製品、はちみつなどを含む動物性食品を一切食べない純粋な菜食主義であることを意味します。
欧米を中心に世界的に増え続けているヴィーガン人口。この日本でも、何らかの理由でヴィーガンである人は、恐らく一人や二人、あなたの周りにもいるのではないでしょうか?
一昔前では、宗教的な理由がある人や、一部の環境保全や動物愛護を推進する人たち、また美しいスタイルを維持しなければならないモデルさんや女優さんに限られていたような印象ですが、時代は変わり、街にはヴィーガン対応のレストランが増え、ネットでは容易にヴィーガンレシピを閲覧でき、多くの人が肉や動物性食品を控えることのメリットを理解して生活の一部として取り入れています。
ヴィーガンダイエットとRUNパフォーマンスの関係
RUNの世界でも、ヴィーガンダイエットの特集がRUN雑誌で度々組まれているように、パフォーマンスの向上を目的にアスリートたちが食生活の変革を進めています。
有名どころでは、米国人ウルトラマラソン(42.195キロを超える長距離ランニング)ランナーのスコット・ジュレク。約15年に渡り菜食主義を貫きながら、様々なレースに優勝し、去る7月には参加者の4人に1人しか完走できなかったというアメリカ14州にまたがる3,522kmのアパラチアントレイル(長距離自然歩道)を46日8時間7分で走破し、世界新記録を樹立しました。
同じくヴィーガンランナーとして、近年注目を集めているイスラエル人のアリエル・ローゼンフェルド。イスラエル国内でのウルトラマラソンで過去に4度の優勝経験があります。毎年ギリシャで開催される246kmのタイムを競うスパルタソンの今年の大会は、彼にとって初の国際競技でしたが、見事に30時間45分で完走し、イスラエル人ランナーとしては二人目の(しかも最速の)完走者となりました。彼は2011年にベジタリアンになり、2012年以降は完全なヴィーガンへシフト。元々は動物愛護が目的でヴィーガンダイエットを始めた彼は、アスリートとしての功績がこれほど上がることになるとは全く予想していなかったとか。

写真: http://www.greatveganathletes.com
ハードなトレーニングをするアスリートの体作りに欠かせない栄養素の一つ、タンパク質源を肉・魚・卵・乳製品等に頼っているランナーにとって、それらを摂取しないことは持久力や筋力の低下に繋がりパフォーマンスが落ちると懸念されることかと思いますが、ヴィーガンの彼らが成し遂げた数々の偉業を見れば、全く問題ないということが分かりますね。実際にヴィーガンダイエットと取り入れている多くのランナーが、持久力が増し、体力の回復が早くなったと感じているそうです。
ヴィーガンダイエットと健康な体
野菜中心の食事にすることは、パフォーマンスの向上だけではなく、より健康で若々しい体を維持することにも大きな効果があります。
例えば、私たちが色・香り・辛み・苦みとして感じているファイトケミカル(植物化学物質)には、免疫増強作用、抗酸化作用、抗炎症作用があります。かくいうジュレク選手も、ランナーとしての結果をなかなか残せなかった20代の頃は、タンパク質こそが一流アスリートに必要なもの信じて肉類を食べていました。ヴィーガンになってからは、炎症が起こらなくなり、自然治癒力が高まったことから捻挫やケガからの回復が早くなったと言います。
食物繊維の摂取が増えれば、消化にかかる時間が削減され、内臓にかかる負担が軽減されます。ミネラル、ビタミン、リコピン・ルチン・βカロテンなどの成分を摂取すれば、糖尿病・がん・心臓病等の生活習慣病リスクが減少します。その他にも、肌がきれいになる、睡眠の質がよくなる、コレステロール値が正常になる、体重管理がしやすくなるなど、沢山のメリットがあるのです。
ヴィーガンであり続けることの難しさ
仕事で忙しくまともな夕食を食べる時間がなかったり、飲み会で揚げ物やアルコールをいつも以上に摂取したりした次の日の朝のランニングでは、「食べるもの=摂取する栄養」がいかに大きくパフォーマンスに影響するか気づくことかと思います。
とは言って、思い切ってヴィーガンになろうと決心してみても、ヴィーガンダイエットに関しては欧米に比べるとまだまだ後進国である日本で、家族や友達、仕事付き合いの人たちとの円滑な社会生活を保ちながら完全なヴィーガンを貫くには、かなり苦労することでしょう。
また、栄養学の知識が十分にないまま急にヴィーガンを取り入れると、いままで動物性食品から摂取していた健康を維持するために必要な栄養素とカロリーが植物性食品から十分に摂取できず、体力が落ちてパワー不足になったり、肌荒れや生理不順になったり、うつなどの精神不安を引き起こしたり、体と心に支障をきたす危険性があります。少し前に、女優の中谷美紀さんが6年間のベジタリアン生活で体調を崩したと告白したようですが、恐らくその原因はそこにあったのではないでしょうか。
大切なのはバランス
完全なヴィーガンを目指すのであれば、栄養素について正しい知識を持たなければなりません。炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素をバランスよく摂取するために、各栄養素を多く含む食材を知っておく必要があります。
特に菜食主義の人に不足しがちなタンパク質、ビタミンB群、オメガ3脂肪酸、カルシウム、鉄分、亜鉛を意識的に摂取する食事を常に心掛けなければなりません。
トレーニング後の筋肉痛やこわばりを緩和するためのナトリウムレベルを維持するためにはアーモンドや濃い緑色の葉野菜が有効です。ケールやほうれん草からカルシウムを、のりやひじき、ふすまや栄養強化されたシリアル、レーズン、切り干し大根、きな粉やカシューナッツなどから鉄分を、フラックスシードオイルや荏胡麻油からオメガ3脂肪酸を摂取できます。
肉類の方が野菜や果物より多くのタンパク質を含むのは事実です。でも量が多いからと言って質がよくなければ、それが良いこととは言えません。豆類、ナッツ、種子、穀物、緑色葉野菜などからは良質なタンパク質を摂取できますし、ハードなトレーニングを実践する人は、その活動量に応じたカロリーを摂取する必要があり、これらの食物はそれを補うことができます。
パートタイム・ヴィーガンのすすめ
私自身、ヨガを始めた頃から少しずつ野菜中心の生活になりました。一人でランチする時はマクロビやベジタリアン対応のレストランやカフェを選びますが、肉好きのアメリカ人夫や育ち盛りの娘が焼肉を食べたいと言えば、それに付き合わない訳にも行きません。
そんな状況でここ数年続けているのが、朝食だけヴィーガン。家族が食べるものも時間も違う朝食は、自分が好きなものを食べるのにもってこいなので、フルーツ、ナッツ、種子類、豆類などにオーガニックココナッツフレークやローカカオなどその時に好きなスパイスをかけて食べています。週末にはパンケーキやマフィンなどを作ることがありますが、バター・卵・牛乳は一切使いません。
このように全食ではなく、1日のうち1回でもパートタイムでヴィーガンダイエットを取り入れれば、結果的に摂取するお肉や動物性食品のトータル量はわずかで済みます。
ストイックにある特定の食品だけを食べたり排除したりする生活は、精神的にも肉体的にも大きなストレスがかかります。自分のからだときちんと対話し、その時々に自分のよりスピリチュアルな部分、感情、肉体全てがよりハッピーな状態になるものを食べるのが一番。ただし自分の頭の中で欲しているものとからだが喜ぶものは、必ずしも一致しないので注意が必要です。例えば、甘いものが無性に食べたくなってスイーツビュッフェに行き、体も心もどんよりと重くなるのを感じて後で後悔・・なんてことはよくありますよね?
何を食べた時に、或いは食べなかった時に、体やこころがどのように反応するか、日頃から自分のセンサーを磨いておくことが大切です。あとは正しい知識と、実践する決意と継続する努力も不可欠です。
無理のないことから少しずつ始めるのが、継続するための秘訣。牛乳をアーモンドミルクやライスミルクに置き換えてみる。1日のうち1食だけヴィーガンにしてみる。1週間のうち1日だけベジタリアンになってみる。それだけでも菜食主義がもたらす効果を感じることができると思いますが、更に動物性食品を摂取しない日を増やしていけば、その効果を最大限に得られ、ストレスなくヴィーガンの生活に慣れていくことができるでしょう。
実際にどんな食事をすればよいか分からない方は、ヴィーガン対応のレストランなどでトライしてみるのが良い方法です。例えば、ウルトラランナーであるシェフが、サプリメントやエナジージェルなどに頼らずに体力を維持したいという思いで、今年10月にオープンしたULTRA LUNCH “GO SLOW” (東京・池尻)。これまでのヴィーガン食のイメージを覆すような食べ応え抜群なパワフル料理を提供しています。どんな食材を自分のダイエットに取り入れていけばよいか、沢山のヒントをもらえるでしょう。
余談ではありますが、前述の米国人ランナーのスコット・ジュレク。ランニング人生で最高の記録を残したことで、そろそろ奥様との子作りを考えてリタイヤも検討しているとか。今後彼の記録を破るランナーは、やはりヴィーガンなのでしょうかね?
今週末開催イベントは、ヴィーガンおやつつき!
先日お知らせした、かすマラ大学初女性限定イベント。
参加者のお土産に、できるだけオーガニック素材を使用したヴィーガンおやつをご用意します。
お申込み締め切りは、明日11月26日。
こころにもからだにも優しくすることで、RUNのパフォーマンスをUPします。
東京都内からでも1時間ほどで行けるかすみがうらで、みなさんをお待ちしています!




