ふだんの薬+鼻炎 | 松山市はなみずき通り近くの漢方専門薬局・針灸院 春日漢方

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体質に合った漢方薬・針灸治療 更年期障害・生理痛・頭痛・めまい・冷え性・のぼせ・不眠症・イライラ・気うつ、肩こり・腰痛・五十肩に穏やかな効き目

   ふだんの薬+鼻炎の治療


 今年は3月になっても寒い日が続きましたが、晴れて少し気温が上がると、春先の困り者、花粉症はちゃんとやって来るようです。




 春日漢方の患者さんの中にも、ふだん他の症状で漢方薬を服用していても、温かくなると花粉症が出てきて辛い、という方が何人かおられます。
 そういう方には、花粉症に的を絞った処方にするか、それまで飲んでいる処方に手を加えて、花粉症に対処するか考えます。
 今回はふだんの処方に、花粉症のためのアレンジを加えてなんとか行けている例を紹介します。

     症例1  女性 50歳

 25年くらい付き合いのある患者さんです。ふだんは体質として肝臓に熱をこもらせて、肩凝り、頭痛や不眠などの症状があります。しかしほとんど毎日が過労気味で、そうなるとエネルギーが切れて、疲れて下痢、食欲不振、浮腫みなどになります。附子が主薬の真武湯(しんぶとう)で、強力に陽性のエネルギーを補わないといけません。
 昔の漢方書には、真武湯に咳のときの加減方というのが出てきます。処方のなかの生姜を除けて、五味子・細辛・乾姜を加えます。胃から肺を温めて、陽気の上逆を押さえて咳を鎮めます。
 この方は年によって、春の鼻炎がひどくなることがあります。今年はやや悪いほうでしょうか。ふだん飲んでいる真武湯に、咳の加減方+半夏も加えました。半夏は肺の余計な水を除いて咳や痰、鼻水を治します。




 この処方で、お医者さんでもらう点鼻薬など、無しで済んでいます。漢方薬ファンは新薬の副作用が強く出る人が多いようです。この方も新薬では胃が荒れたり、下痢したり、鼻炎の薬では特に眠くなったり舌が痺れたりするので、あまり使いたくはないそうです。

    
  症例 2  女性 40歳

 この方はここ1年くらい、生理が2週間おきにくるのを、漢方薬で治療しています。また冷え症で、冬はしもやけができます。
 血を増やす薬草の「当帰」を主薬にした当帰建中湯、当帰四逆湯などを続けて服用して、生理の周期はふつうの人並みに近づいてきました。しもやけも軽く済んでいます。
 しかし3月はじめから鼻炎がひどくなって、鼻水・鼻詰りに加えて、咽喉がイガイガ、目が痒い、頭がボーっとして考えられない、という状態になりました。
 いま飲んでいる当帰四逆湯に、症例1の方を参考にして、半夏・五味子・乾姜・辛夷を足してみました。
 辛夷(しんい)はこぶしのつぼみです。ワープロにこぶし、と入力すると辛夷と出てきます。モクレンの仲間で、やや小さめの白い花がモクレンの少し後、今ごろの季節に咲きます。ツーンとした鋭い香りが鼻の詰まりを通すのによく用いられます。
 この処方を服用すると、お腹が温もって30分ほどで鼻が通って楽になるそうです。




 もう一人、20代の女性で、生理前の気分の不安定を抑肝散(よくかんさん)という処方で治療している方があります。この方にも同様の加減方をしてお送りしていますが、さて鼻炎のほうに効いてくれたでしょうか?

 写真は近所を散歩しながら他所のお庭で見かけた花です。最初が蝋梅(ロウバイ)。ウメと同じころ咲きます。次がネットで調べてマンサクと分かりました。最後が花の名前が分かりません。ご存知の方がありましたらお教え下さい。