最近、ぱっと見、年齢がわからないというか、実年齢よりは若く見える方が多いように思います。
女性の場合、お互いさまなので、どこを見ればだいたいトシがわかるか知っているといいますか、
顔や髪ではわからなくても、こことここには年がでるよね・・・と思ってしまうわけです。
別にトシがでたってばれたってどうってことないですし、私なんかただいまフォーティエイト公言中ですから、なにも問題ありません。
ただですね、やっぱり「若い子とはここが大きく違うよなあ」ということはあり・・・・
最近、リバイバルなのか、歌番組で、私と同世代くらいの方がたが、けっこう出てらっしゃるんですね。しかも若いかわいいカッコして。
芸能人の方がたですから、みなさん、常日頃コントロールされてて、お顔も姿も素敵なんですけど、・・・・なんかやっぱり違うわけです。
ひとことでいうと・・・・・、「背筋にキレがない」。
たぶん姿勢の問題ではないのだと思います。中年以降はお腹もですけど、どういうわけか背中に肉がつき、運動神経の問題もありますけど、動きがシャープに見えない。
クラシックの曲にしても、個人的趣味として「申し訳ないけど、この曲の演奏は絵的に若いコ希望」というものはどうしてもあり、
そういう曲は音についても「イキのいい、ぴちぴちした音色希望」なわけです。
人生経験積んだような、あんなこともこんなこともあったわね・・的な音は勘弁してほしいこともあります。
巨匠の演奏のなかには、お姿は別として、音に関しては、たったいま恋を知ったようなうぶな音、でもそれが実は超晩年の演奏だったり・・ということもあったりして、すさまじくびっくりすることがあります。
いや実際、いくつになっても、たとえ親になろうが子供がいようが孫ができようが、思春期の子のようにときめき続けている人はたしかに存在するわけなんですけど、
それが実生活とリンクせずとも、想像のなかからそういう音が出てきてしまう方はやっぱりすごいというか、天才だと思います。
早熟なほうはよく注目されて、12~13歳なのに、苦しい恋愛を表現したような曲が弾けちゃったりすると「ええ~~っ!」となるわけですけど、
彼らはなにも、全身全霊で打ち込む恋愛とか身もだえするような嫉妬にさいなまれているわけではないと思います(たまにはそういう子がいるかもしれませんけど)。
でも、具体的裏打ちがなくても、そういう心のカーブが天性のカンで音符から読み取れるんだと思います。
逆に、中年や老年になって、子どものような音が出せるというのは、これはもっと難しいことかもしれないと思ったりします。
それは、「成熟しなかった、一生子供のままだった」というわけではなく、また「すべてを経て透明な境地に至った」というものではなく、
「まだわずかな経験しかない若い頃にしか出せない音が、必要に応じて出せる」ということ。
もちろん、深く渋い音が一方にあってのことですが・・・・。
ところで、人間、ひどく疲れているときとか、うつっぽい時というのは、音がモノトーンかつ平板になります。
自分が見た景色に色がついて見えないことがあるように、
自分から出した音が、光も色もなにもない無表情のものになることがあります。
実際他人のそういう演奏に遭遇することもありますが、そのような場合心配すべきは、演奏者のテクニックでも解釈でも知識でもなく、精神状態です。
こういうときは、演奏は批評の対象にはなりえないです。人間のすることですから、いろんなときがあると思いますので温かく見守るのみ・・・。
いろいろな音が出せるようになるということは、もちろん解釈・テクニック・練習、さまざまな要因があると思いますが、
ひとつには、俳優さんが表情と感情の関係を鏡で確認しながら演技の勉強をされるように、
自分の感情(気持ちのポジション)と音色の関係を把握できたり整理できたりすると、コントロールもやりやすくなってくるのかな・・・と思ったりしてます。
・・・・・・・なんといっても最終的には、「こんな音を出したい」という執念のみ、ですが(笑)。
