私は自分では、あまり細かいことにこだわらない大雑把な人間と思っているのですけど、ひとつだけ「え・・そうなの?実はウルサイ?」と思うことがあります。
それはピアノの調律。
このマンションに引っ越した当初は、環境の変化のせいか狂いやすく(なんと当時ピアノ部屋は湿度が90%のことも珍しくなかったのです。今はだいたい50~60%くらい)、3ヶ月に1度くらいは調律師さんに来ていただいていました。
今は、平均するとだいたい半年に1回くらいでしょうか?
自分では「わ~もうボロボロ・・」と思ってお願いするのですけど、実はそうでもないみたいで「この程度だと普通のお宅はあまり気にされない」みたいに言われることがあります(笑)
・・・ま、そうかもしれないです。
気にされないかどうかは別として、あちこちで弾かせていただいて、まず「おかしくない」ことはないので、調律師さんを呼ばれるのは普通は定期的に年に1回くらいなのでしょう。

実際、ヘビーユーザーであればあるほど、「調律を入れる時間が惜しい」ということらしく、「どのみちステージのピアノは別物だし」ということもあり、ガッタガタのピアノで練習されているケースが多いみたいです。世界の超一流になればまた別なのかもしれませんが、コンサートピアニストとして忙しくされている方々は実は自宅のピアノにかまっているヒマはなかったりするようです。たくさんお弟子さんをお持ちの先生方はましてお時間もないでしょうし。

有名なピアニストの方々が子ども時代、良い状態のピアノで練習してきたのかというと、そういうものでもないみたいで、
ランランはペダルやら鍵盤がもげたピアノで練習していたというし、
ダンタイソンは紙鍵盤、
ブレハッチもたしか、褒賞でグランドピアノを手にいれるまでは、アップライトだったはず。
こういう天才的な方たちは、どんな楽器を弾いても頭の中ではステージのフルコンの音が鳴っているのかもしれません。

これはあくまでも私の独断と偏見なのですが、良い楽器が必要なのは一番に子ども、そしてアマチュア。
親としてはいつまで続けてくれるかわからないお稽古事に大金を使うのは余りにもリスクが大きいので、防音の面もあり、とりあえず電子ピアノを買いがちです。おそらく私ももし自分がピアノを持っていなかったらそうしたと思います。
でも、理想はたぶん逆で、子どものうちに電子音でないピアノに触れ、10年も弾いてだいたいその響きやタッチが頭と体に定着してきたら、まあ電子ピアノでもいいでしょう、ということなんだと思います。
一方、アマチュアは、実はかなり音にうるさい人が多く、ピアノの響きが好きで好きでピアノを再開したり始めたりする人が多いので、これはできればアコースティックのピアノのほうがストレスが少ないと思います。ただ大人なので、夜間の練習が多く、どうしても、サイレントとか電子ピアノになってしまうのですが、これらから出ているのはあくまでもサンプリングされた音で、自分で作り出している音でないことは認識しておかなければなりません。
私も10何年は電子ピアノを持っておりましたので、これの利点もよくわかっているつもりです。


話はちょっとずれますけど、最近ちょっとこう思うことがあります。
・・・習い事としてピアノをやるのと、音楽(の趣味)としてピアノをやるのは果たして同じことなのだろうか?・・
もちろん大人についてもですけど、子どものピアノにしても「習いごとピアノ」の先生と、「音楽ピアノ」の先生というのは実は違っていて、それは経歴とか専門とかそういうこととはまた別の話なのかもしれない・・・・と。

もしかすると、紙鍵盤でもボロボロのアップライトでも、先生を通して「音楽としてのピアノ」の音を聴いていれば、それはそれで幸せな子ども時代なのかもしれませんね。