今月は演奏するほうもですけど、聴くほうもいろいろありまして、昨晩も行ってまいりました。

ケヴィン・ケナーリサイタル

前半<ショパンプログラム>
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
ノクターン第8番作品27-2
ソナタ第2番「葬送」

後半2台ピアノ(友情出演 イザベル・ラフィット)
<ピアソラプログラム>
ミケランジェロ70
フーガ・イ・ミステリオ
天使のミロンガ
天使の死
デカリシモ
タンガータ

氏は1963年アメリカ生まれ。1990年チャイコフスキー国際コンクール第3位、同年ショパン国際コンクール最高位。
相当な長身で、ピアノが狭そう(特に脚)。当然というべきか手もいったい何度届くのか?と思う大きさだし、テクニックはもちろんキズなし。
音も、体格からくるものか、太いというか幅が広い感じで、PPでも幅広。チリチリとかキリキリ身を苛むような音はあまりなく、安定と安心感のある音だったように思います。
ショパンの2番はノクターンの8番に続けて弾かれました。ノクターンが変二音(変二長調)で終わり、ソナタ2番が同じく変二音(こちらは変ロ短調)で始まるわけで、ゆったりと深深と弾かれたノクターンのあとに、強い打鍵でソナタが続く。私の個人的な感想では、ショパンというよりもラフマニノフのソナタに近いような雰囲気があったようにも思うのですが、特に第4楽章は面白く聴きました。
こういう一見無秩序にも思えるようなバラバラとした音の動き(ジャズなんかでもこういうバラバラっとした音の動きがあると思うのですけど)、こういう弾きにくくまとめにくいパッセージが、この弾き手にかかると妙に魅力的。深く深く掘り下げられた表現というより、音の動きそのものをダイレクトに反映した演奏、とでもいいましょうか?・・・新鮮でした。

後半プログラムはオールピアソラでしたが、ダイレクトな音と「超」のつくリズム感の良さがタンゴにマッチして、ハマリまくり。
2台を聴く機会というのはあまりないですけど、それにしても、ここまで合うか?というほどの息の合い方。グリサンドの末端の音までぴったり!・・驚異的でした。
ピアノのあちこちでリズムを取るパフォーマンスもあり、演奏者も客席も一気に暖まった感じで、アンコール(アンコールは、リベルタンゴ、プログラムのなかのどれか?、ミヨーのスカラムーシュの3曲)までほんとうに堪能いたしました。

だいぶ前に、リベルタンゴをバンドネオンとヴァイオリンとピアノでやったことがあるのですが、またそのうちピアノ連弾でやろうと思います。相手も決定(笑)。