チェロパーティはM先生の軽妙洒脱なトークとともに進行しました。
M先生は、ドイツの方なのですが、ほんとに日本語を自由に話されます。
時には、日本人の使わない用法が逆に的を射ていることもありで、言葉というのは音楽と同じでやはりセンスのものなのだなあ、と感心させられます。


「チェロの発表会はみんな、大きな楽器並べていて大変です。ピアノの発表会がうらやましいね。みんな楽器抱えてうろうろしなければならないから、こちらもみんなの大切な楽器に事故があったらどうしよう、とドキドキ」

ほんとにそうなんですよね。
壁際に大きなケースがずらりと並んでいて、人が立つよりも場所をとっている。
これがまた、弾くちょっと前にしか取り出せないし、弾いたらしまわないといけません。
お筝のように立てかけられないし、ほんとに大変。ピアノの発表会ってなんてコンパクトなんだとヘンな感心をしてしまいました。


ここからはド素人の感想として笑ってきいていただきたいのですが・・・・


チェロって左手の移動幅が大きく、「どうやってちゃんとした音程に当たるんだ?」といつも疑問なんですけど、今回さらに「おおっ」と思ったのは、「結構親指使うんだ」ということで、あの姿勢で親指を使うのってものすごく大変だと思うし、そこまでしないと指足りないもんなんだろうか(ピアノ弾きがなにを言う・・)と、ただボーッと見ておりました。
ほかには、子どものチェロの小さいサイズなんて、ヴィオラとあまりサイズ変わらなそうなのに、代用できないのか・・とか、
なんで重音の音程が一発でぴっと決まるんだろうか・・とか、
曲を音楽として聴くほかは、まことに素朴な疑問の連続で、やっぱりピアノ弾きはピアノ以外のことについてはまるで無知なのだと痛感いたしました。



チェロを離れてピアノの話を・・・


ここのピアノはS6Bという機種でして(メーカーは言わずと知れた某社)、普通のグランドとコンサートグランドの間に位置するグレードといわれています。
この機種はあまり弾く機会がないのですが、大変好きな機種でもあるので、先週の水曜日にこれと同じ種類のグランドがある、近くのセンターへ出かけてチェロと合わせてきました。
チェロの人たちはそれほどのこだわりはないのだろうけど、このクラスになると少し慣れておきたい気持ちがありまして。
本番、いろいろな方の伴奏を聴きましたが(・・あ、もちろんチェロも聴いてましたよ・・・)、ここのピアノは怖い。ピアニストの力量というか、音そのものが一発でバレる。よく練習した箇所とそうでない箇所も一発でバレる・・・。
やっぱりS6で練習したのはよかったです(泣)。

昨年度は、私は弾き方を少し変えたいところあって、あまり本番に力を注いでおらず、はっきり言って、どれもどれも不本意な結果でした。
今年は少し落ち着いてきたし、いろいろ頼まれたりもあるので、本番に照準をあわせた練習をしようと思って、今回は少し自分を追い込みました。
最後の方では、全部暗譜して、かつ手元も見ずに弾けるようにし(時々チェロを見るため)、最終段階では、インテンポゆっくりと、CDの任意のフレーズからいきなり合わせる練習までして、やっと本番で弾ける気がしてきました。
ほんとは伴奏者がそんなことを言ってはいけないと思うのですが(笑)、「死ぬほど練習した」と他人にも言ってしまうくらいやりました(時間的なものではなく、精神的に)。

本番は、演奏者の自己満足かもしれませんが、相手の音はよく聴こえたし、弾いてる途中で相手がどういう気持ちなのかも伝わってきたし、大きなミスもなく、一体感がありました。
相方のチェロもたぶん今までで一番よかった。自ら「本番女」と言ってますけど、まったくその通り(笑)。本番でいきなり、これまでなかったはずのこまかいニュアンスがついていたりで、本番の好きな人というのはこういうものかと思いました。

休憩の時、M先生と個人的にお話して、
この曲はもともとはチェロで書かれる構想もあったのだとか、演奏上はバイオリンの場合は少し「タフ」な感じだけど、チェロの場合はピアノと融けあう感じなんだと思うとか、第3楽章がとてもいいんだとか、ということを伺いました。
M先生ご自身も今月末に同じホールで同じ曲を弾かれるので、ぜひ聴きに伺いたいと思っております。


「ロバ」の方は、これまた奇跡的に無事故でした。
あとから、チェロのSさんにきいたら「もう全然音がきけなくて・・・どうでした?」ということだったのですが、実はこれまでで一番よかった(笑)。
最後の今まで一回も合わなかったところまであってしまった(爆)。
これ、私が思うに、逆にピアノをきいてなくて合わせる余裕がなかったから、合ったのではないですかね?
曲や部分にもよるのですが、ピアノが完全に伴奏型の時は、ソロがさっさと弾いてくれないとこちらはやりにくいです。
ピアノコンチェルトのコンぺの時、指揮者のY先生に「あのね、僕は、あなたの演奏を数小節聴いて、古典派っぽいのかロマン派よりなのかもすぐわかるし、そうだとしたら、どこでどうなるかも予測つくから、完全に信頼して自由に弾いていただいていいです」と言われたことを思い出しました。
Sさんはピアノと合わせるのは数年ぶりだったとかで、たぶんこれまでいろいろ気を使ってくださっていたのだろうけど、本番それがぶっ飛んでしまったことが、逆に幸いしました。



後半のプログラムはいずれも聴き応え十分でした。
個人的にはハイドンのコンチェルトがとても素敵でした。ピアノものびのびと無理なく調和していて、このコンビは長いお付き合いなのだろうか?とも思いました。

それから、噂には聴いていたピアニストYさん。今は小学校の先生をされているそうなのだけれど、ほんとに一音一音が透明感のあるのびやかな音で魅了されました。
こんな方に伴奏していただけた今回の子どもたち、それから音楽を教わっている小学生さんたちは、幸せものです。


最後は、先生がたによるチェロカルテット。
無料で聴いていいんですか!?という充実のアンサンブルでした。
すばらしいパーティでした。伴奏がなくても、来年からは聴きに伺いますっ!


伴奏者に選んでくださったWさん、Sさん、
指導をしてくださったH先生、M先生、
遠路聴きにきてくださったYさん、
それに、何回も留守番をしてくれた家族、
みんなに感謝します。ありがとうございました。