いよいよ新学期になった。
就職・進学・進級された方々、おめでとうございます。

私の場合、大学は鹿児島から東京に出るという、私の周りではかなりありふれたコースだったのだが、親元を離れたとか都会に出たとかいうこと以外にもびっくりしたことがあった。

このブログを読んでくださる方は、音楽専門以外の方のほうが多いと思うので、似たような体験をされているかたも多いかもしれない。

ご承知のように受験勉強というのは、受験科目すべてにおいてよい点数をゲットできることが理想であって、受験科目が多くなればなるほど、「広く・浅く・確実に」みたいな技術的部分も出てくる。
ピアノなんかだと、大学以前にコンクールやなんやらで「自分の位置」みたいなことをいやでも知らされるところがあって、それはそれで弊害なきにしもあらずなのだが、芸術やスポーツ以外の一般的科目に関してはそれまでそういう目にはあっていないから、専門にすすんでアゼンとすることもある。

私の進んだのは国文科というところだったが、友人だった人間というのが、これがまさに「歩く古語辞典」だった。
忘れもしないが、源氏物語の登場人物の関係をどうのこうの言っていたとき、いきなりその友人、こんがらがったアミダクジのような人間関係図をするすると書き始めた。
・・・・・・ありえん・・・・・
しかも、源氏の系図というか関係図は、光源氏や桐壺からは千手観音のように女に線がつながってるわ、とんでもないところから子供は生まれているわ、もうわけわかんですよね。これをするする書く・・・・19歳かそこらの女の子が。
いったい、どんだけ読んだのかときくと、現代語訳や原文あわせて数回は読んでるらしかった。
この友人は、ほかの古典にもかなり通じていて、日常の会話にあたりまえのように狂言や落語や歌舞伎などの一節が出てくる。
今では彼女、高校の先生をやっているのだが、あのころは「一体どんな学者になるんだろう・・」と私、思ってました。
一方で、近現代の文学にはそれほどでもなかったので、私とはなんとなくバランスがとれていたところもあるのですが、知識量というか学問的には、古典文学はすさまじい量ですからね・・・とてもかないません。

これ、たまたまジャンルが「国語」のひとつなんで、「勉強のできる子」になってしまうのかもしれないのだが、たぶんご本人としては、アニメやその他と同じレベルの「おたく的関心」だったのであって、たまたま自分のオタクジャンルが専門に選べたということで幸せだったのだと思う。
大学に行くといますよね・・・こういうオタク系秀才。
「なんとなく興味あったから」と哲学科入ってみたら、主な哲学書をほぼ読破してるヤツがいた(しかも一部は原語で)とか、
パソコン関係の学科に入っみたら、すでに会社作ってバリバリ稼いでいるヤツがいた、とか。

そうなると、もう「広く・浅く・確実に」が、かなりかすんでくるわけで、
実はここから先が人生なんだという事実にボー然ともしてしまう。
なので、自分の経験からも「広く・浅く・確実に」の一方で、「オタク的しつこさ」でもって食いつけるジャンルはあったほうがいいと思いますね。

・・・なかなか難しいし、それができること自体、選ばれた人間という可能性もありますが。