可能性へのPregnant P6 | 風合瀬のブログ

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    アクルスの通うハイスクールでも、その話が話題となっていた。    


「いいか、みんな。最近変な動画が流行っている。それを観れば病気が治るとか、未来が見えるとか。それに新興宗教も流行っているようだから気を付けろよ」


    教師からそのような発言があった。イギリスは基本キリスト教だが、ユダヤ思想やイスラム教徒もいる。ただ、無神論者の方が多い。習慣として教会に行く人々も=キリスト教というわけではない。イギリス王室に対する人々の関心も薄れ、何より"宇宙世紀宣言"後、物の考え方が一気に宇宙に向いていた。


「宇宙用のスカートって可愛いよね」


    女子の間で、宇宙ファッションが盛り上がっていた。ピッタリ目のズボンにヒラヒラのスカートがついていて、無重力帯でなびく映像がテレビで流れていた。宇宙エレベーターでの番組もあって、そこで着て行く服や靴が面白かった。靴には磁石が内蔵してあって、無重力空間でそれを押し付けるようにして歩く歩き方が紹介された。

    宇宙エレベーターは直径15mほどの円空間が、宇宙ステーションから地上に繋がるカーボンナノチューブのロープを伝い人やモノを運ぶ。三階建ての構造をしており、最上部がコントロール室で二階部が人の乗る空間。一番下には荷物などが積み込まれる。


    パンツスカートの女性は、宇宙ステーションに着くと、自動扉を出て宇宙ステーションに続く通路の右側をグリップを握り進む。宇宙では右側通行の決まりになっている。グリップは握ると進行方向に進み、女性はフワフワ浮きながら宇宙ステーションに出る。そこには係の人間がいて


「足を床に押し付けるよう降りて進んで下さい」


もいう指示と共に、手を取ってくれる。女性がグリップを離し床に着地すると、スカートがふわりと落ちる。スカートには形状記憶素材が使われていて、下方に下りるようになっている。

    それが、ハイスクールの女性らの間で話題となっていた。