A子71歳 P10 | 風合瀬のブログ

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    グループホームでの食事は基本私たちに任されてはいる。ただ、高血圧などの配慮やたまに送られてくる食材を使わなければならない。国や支援団体からの寄付で、肉や野菜が送られてくるのだが、真空パックされた食材なので料理が限られてくる。私の所は食事に補助など要らないが、他では食事の他、トイレなども補助したりオムツ交換しなければならない人たちもいるのだが、これらは本来免許を持った社員が行うのだが、人が足らずアルバイトが行っているところもある。


    私は仕事をそつなくこなし、他のアルバイトの人たちとも巧くやれていた。


「ここの社員さん気をつけてね」


    アルバイト仲間の40代の女性からアドバイスがあった。社員さんはピンキリで、中には調理などまったく出来ず、コンビニの弁当などで誤魔化す人もいたり、ストレスがたまり当たり散らす人もいるとか。


「毎日のチェックノートあるじゃない?」


    グループホームでは、体調や支出、本人の精神的状況などを記録するノートがある。


「あれ、難しいわね」


「そうそう。観てわかると思うけど社員さんによって精度が全然変わる。社員さんの都合もあって、書いたらよくないこともあるし…」


    仕事をしたがらない社員さんは、それを上にバレないよう改竄する。それに、人の移動が激しく若い人が社員さんには多い。


「給料安くてやってらんない!何て言う人もいる。私たちなんかよりは手当てもついて良いのだろうけど、やっぱ人相手の仕事にしては安いんでしょうね」


    90年代から国は、後期高齢化に先駆け沢山の介護学校を作ったが、生徒の中には大学に行けず何となくそんな学校に行き、免許だけ取得し仕事がなくて介護の仕事に来た人たちも結構いて、現実を知り退職する若い人たちは少なくない。