『世界大百科事典』平凡社
どうしてかシャツがすきですが、とりわけボタンダウンシャツがすきでしてその理由は挙げられます。
襟をとめるボタンにカジュアルさがあって気負いが減じる、オックスフォード生地ならぴしっとアイロンせずとも様になる、かつてのアメトラ・ブームの洗礼の余韻というところです。気楽でおしゃれ、それが自分にとってのボタンダウンシャツなわけです。
アメトラ・ブームって、60年代以降なんども繰り返していますが、その洗礼は2005年頃トム・ブラウンが中心にいたブームを浴びたよすがです。
そのブーム以降、買ってきたボタンダウンシャツを紹介していきます。
初回は、最高峰のボタンダウンシャツをとりあげます。
インディビジュアライズドシャツのボタンダウンシャツです。スリムフィット。
買ったのは確か00年代後半で、エディ・スリマンが流行らせたスリムフィット、スキニーとか全盛期でした。
ボタンダウンシャツでスリムフィットなんて出たんだなあ、試着してみたら、古くもあり新しくもあって初めて見る服で、驚きました。それまでボタンダウンシャツといえばだぼだぼの身幅でそれがトラッド、昔のおっさんのシャツというイメージだったのにそれが最先端の流行になってたんで、その新鮮さは強烈でした。
トム・ブラウンのブラックフリースが07年スタートなんで、その影響でインディビジュアライズドシャツもスリムフィットを出したんかな?
このシャツの生地はダンリバーです。
ボタンダウンシャツといえばオックスフォードの生地、オックスフォードの生地でいいものといえばダンリバー社のオックスフォード生地ということだそうです。
ダンリバーが倒産したのは06年らしく、ぎりぎりダンリバーです。
このシャツは、型も生地もブルックスブラザーズのシャツと同じものということでした。
インディビジュアライズドシャツは、ブルックスブラザーズの高級ラインの製造をずっと担っていて、ブルックスブラザーズのシャツの型紙を使うこと、ダンリバーがブルックスブラザーズにだけ供給している特別な生地を使うことを許可されたという話でした。ブルックスブラザーズの最高級のシャツと実質同じものがお安く買えるというふれこみで買ったのでした。
いいオックスフォード生地は厚みがあって洗うほどなじんで艶が出るものだとか。このシャツはまさにそのとおり。
厚みがありつつきめ細かさもあります。ブルックスブラザーズでいうとUSA製のシャツの厚みとMAKERSのイタリア生地のきめ細かさがあります。
スリムフィットのシルエットは細すぎずしゅっとしていて、流行がどうあろうと、端正です。
今はインディビジュアライズドシャツは倍ほど値上がりし、ダンリバーの生地というだけでプレミアものです。いつもはそういう流行の後をついていってますが、このシャツに限ってはちょっと早めに手にしたというのも気分のいいところ。
買った頃はローテーションに入れてよく着てましたが、ボタンダウンシャツの数が揃ってきてからは出番は少なくなってます。服は着てなんぼでしょうが、見て楽しい、ラックにかかているだけでうれしい服でもあるんで、大事にしていこうと思います。