【湘南国際レポ ~Finish】
35km地点を過ぎ、自動車専用道路へ突入していく。
ここからは沿道の応援は無く、やや寂しい区間。
ただし、要所にボランティアさんが立っていて、声援を送ってくれます。
また、ペーサーさんからも同様に檄が飛ぶ。
「毎日トレーニングしてきたんだ!がんばろう!!」
そう言って、我々を鼓舞してくれたのは、ランニング系youtuberのHAGIさんでした。
そんなボランティアさんやペーサーの方々に励まされつつ、残り5kmを過ぎる。
しかし、ここからが湘南国際マラソンの最も過酷な部分です。
湘南国際マラソンは、基本的にフラットなコース。
その分、橋を越えるアップダウン等がとても苦労します。
しかし、湘南国際マラソンの難所は、そのようなアップダウンではありません。
厳しいのは、最終盤の残り5kmです。
37km地点を過ぎると、フィニッシュ地点の大磯ロングビーチが見えてくる。
そこには待ち焦がれたフィニッシュゲートの姿が。
しかし、ランナーは一旦フィニッシュ地点である大磯ロングビーチを通り過ぎ、その先の二宮まで折り返して来なければならないのです。
これが、精神的に辛い。
華やかなフィニッシュゲートを横目で見つつ、通り過ぎる。
今すぐ車線を越えて、そちらの方向へ向かいたい。
そんな衝動を必死に抑え、更に奥へと進まなければならない葛藤。
精神的なダメージは、そのまま身体への疲労となって襲ってくる。
残り数kmで、呼吸が苦しくなり、一気に足が重くなりました。
もっとも、苦しい理由はそれだけでは無いと思います。
35km地点でボトルが空になり、足を止めることへの恐怖心から無理してここまで走ってきました。
そのため全身がだるく、終いには腕が痺れるような感覚。
完全に脱水症状です。
何とか二宮の折り返し地点まで来ましたが、徐々にサブ3ペーサーから遅れるようになりました。
離れないように必死に食らいつくも、もう体が動きません。
残り3km地点で、ついにラップが4分31秒に。
この瞬間、もう駄目かという思いが支配してきました。
40km地点を過ぎ、残り2km。
時計を見て、残りどれくらいのペースで走らなければならないのか考えるも、もう頭が回らない。
後方から別のペーサーさんが抜いていく。
「このペースを維持すれば、サブ3いけるよ!」
そう言って、励ましてくれます。
おそらく、この方がサブ3ギリギリのラインなのでしょう。
その背中を追いかけるも、やはりだんだん遠くなっていく。
「グロスは無理でも、せめてネットでサブ3を…」
「ペーサーがあれだけ離れてしまっては、それも無理か…」
「もういい、歩いてしまおう…」
どんどん弱気になっていく自分の心。
それでも、必死に思い直す。
諦めて、後悔するのだけは嫌だ。
結果はどうであれ、とにかく最後まで走ろう。
しかし、ペースは上がることなく、キロ4分41秒。
それでも走り続け、ついに大磯ロングビーチ駐車場へ。
駐車場手前は、急な上り坂。
心臓が止まりそうなほど、苦しい。
そこを乗り越えると、遠くにフィニッシュゲートが見えてくる。
計時を見ると、2時間59分を示している。
あと200mぐらいか?
ゲート手前で、ペーサーが大きく手を振っている。
歯を食いしばって、最後のスパート。
49…50…51…。
迫る時計を見つつ、我武者羅に走る。
頼むから、間に合ってくれ…。
そう願いつつ、フィニッシュゲートを通過。
その瞬間に目にしたタイムは、
ぎりぎりで3時間を切っていました。
【記録】2時間59分53秒