《こんばんは、すっかり出しつくし廃人気味のユンまんまです。
今日から毎週金曜日はこの・・・マリッジ エンド ブルー(英語力皆無なのに無理するから・・・)をお送りします。
こちら、完全パラレルです。
そして題名も造語です。(意味は次回にでも・・)
最近はまっている、久遠色の強い蓮さんとのお話です。
無理だわ~の方は、ご遠慮くださいね?
今後話を続けていく途中に別館に行く可能性が非常に高いです。(全話限定でも良かったのですが、メンドクサイ・・・・という・・ね☆)
と、いうことでもしよろしければお早目のアメンバー申請をしていただけると助かります。
そのときには『アメンバー申請について』の記事を確認されて、申請メッセージと申請をあげてくださいませ。(たまにメッセージが素敵文章で、るんるんと承認しようと思ったら申請を上げられるのを忘れていらっしゃる方がいますので申請ボタンの押し忘れにはお気をつけてくださいね。)
それでは、もう(泣く泣く)覚悟を決めた長編新連載をスタートします!!
一緒に楽しんでくだされば幸いです。
いってらっしゃいませ~》
†Marriage end blue 1
どんよりと重い雲から雪が落ちてきそうで来ないのを、少し逸る気持ちを押し込めた人々が残念に思う暖冬のクリスマス。
彼女の前には大きめのケーキと、17本のローソクが立ち先程まで火がついていたことを物語るように柔らかく溶けた蝋が細めのローソクを伝ってゆっくりゆっくり下に落ちていっていた。
しかし、そのローソクを抜かれる気配は今のところなかった。
「結婚してる!?私が!!?・・・嘘でしょう!?」
「嘘じゃない、キョーコ・・・・お前はすでに、この彼の妻になっているんだよ?」
キョーコと呼ばれた少女は、目の前に差し出された写真を見もしないでバン!!っとテーブルの上から払い落とした。
「おじい様のバカ!!こんなの横暴だわ!?」
「すまない・・・でも、これは俺の夢なんだ・・・お互いの子供を結婚させようと約束をしたはいいが、お互い子供は男の子一人ずつ・・・それで孫へと受け継がれたんだ」
「勝手に受け継がないで!!」
キョーコがもう一度激しくテーブルを叩くと、ケーキに刺さっていたローソクが一本パタ・・・っと真っ白な生クリームの上に倒れ赤い蝋によって汚された。
楽しみにしていたケーキのことを忘れて怒り狂うキョーコに、もう一人幼い少女が抗議を受けている初老の男とキョーコを交互に見つめた。
「・・お姉さまも、おじい様も・・・少し落ち着きませんこと?」
「マリア・・・俺は十分落ち着いて・・・」
「・・・・おじい様・・・そのフォーク、何も刺さっていませんわよ?」
「!!・・・・・はあ・・・キョーコ・・・頼む、せめて・・・せめてアイツがくたばるまでこの婚姻関係を続けてくれないか?」
結婚の話が出る前に聞かされていた内容に、キョーコはぐっと押し黙って立ち尽くした。
「・・・・・・・・最低な誕生日だ・・・」
キョーコがそうぼやいたのとほぼ同時刻。
暗い店内では激しい音楽に負けないように、大きな声で話合う人々。
それは主に男女で、濃密な空気でさらに男女の距離は縮まる。
その中の一組。
大勢の人の中でも少しだけ飛びぬけた金色の髪に、しなやかな女性の指が絡みつく。
薄暗い店内でも、爪に施されたネイルがはっきりとわかるほどの濃い色はその髪には似つかわしくない。
それでも女性の手は、その髪を離すまいとしっかりと指を押し付けている。
なぜならその髪の人物に、自分を押し付けようとしているからだ。
手始めといわんばかりに、酷く艶の施された唇を近づける。
しかしその唇は空を切った。
男の方が顔を逸らしたからだ。
「悪いね?もう、今日からはこういうの無しなんだサラ」
「どういうこと?」
不満気だが本気にはしていない女性を自分から引き離して、男は自分の左手を出した。
その長くしなやかそうだが、男らしく骨ばった大きな手には不似合いな細い銀色のリングが薬指にはまっていた。
「結婚したんだ」
「ええ!?そんなの聞いてないわよ!?クオン!!」
「うん、俺も言ってないから」
クオンと呼ばれた男は悪びれる様子もなく、しなだれてきていた女性とあっさり別れ男ばかりが集まっている一角にのそのそと移動した。
「クオン!サラの叫び声、ここまで聞こえてきたぞ?!」
「サラだけじゃないだろ?この話聞いて叫ばずにいられないのは・・・ミスティもジェーンもアマンダもついでにミランダ、ローラ、マリエール・・・っと・・あと誰だっけ?」
「両手じゃたりないだろ?クオンを狙っていた女なんて」
「全員、卒倒するんじゃないか?・・もしくは、その彼女・・・じゃないな・・クオンのワイフは彼女たちに見つかったら消されちまうんじゃないか?」
仲間内から好き放題言われても、クオンは相手にせずウォッカを一気に煽った。
「・・・消してくれてもかまわないけど、じいさんが黙ってない・・」
乱雑に掴んだライムを口の中に搾って滴を喉に流すと、汚れた口元を袖でぐいっと拭ったクオンに全員が脱力する。
「ああ~・・・あのじいさんか・・・・お前の親父さんと違って超~こえ~からな・・・」
「でも、今入院してるんだろ?」
「心臓が悪いらしい・・・まあ、そのせいでこんな結婚ごっこをさせられてるんだけどな?」
淡々と言うクオンに、一同は肩をすくめた。
「戦争中に助けてくれた日本人の子孫と結婚させるって?・・以外にロマンチストだね?クオンのじいさん」
ゲラゲラと笑う声にもクオンはただ口の端を上げるだけで、どんなことにも興味を示さないままだった。
「クオン・・・それで?どんな子のなんだ?お前の奥さんは」
「・・・・・・・教えない」
「ひどいな~横取りするつもりはないぞ?」
「・・・味見はするつもりなんだろ?」
「正解」
「・・・・だと思った・・・けどダメだ」
今までどんなことにも・・・女性にも執着しなかったクオンの返答に一同驚き、冷やかしの口笛が吹かれた。
しかしその冷やかしはクオンには通じなかった。
「・・傷物にしたら返品不可になるからな」
またも冷静に返された言葉に、全員肩を空かせた。
「なんだ・・そういうことか・・・」
「返品したいほどの・・・・『カワイコちゃん』・・なのか?」
裏の意味を含んでいる言葉に、クオンはわざとらしくため息をついた。
「ああ・・・相当なカワイコちゃんだよ・・・・・何しろ・・ねんねの赤ちゃんだからな?」
そう言ってジャケットを掴み、帰る仕草を見せるクオンに一同から同情的な言葉が投げかけられた。
それに適当に相槌を打っていると、一人が何かを思い出して慌てて声をかけた。
「クオン、いつ日本に行くんだ?」
「・・・・明日の昼の便だ」
「明日?・・もう今日だろ?っていうか昼って・・起きられるのか?」
「さあ?・・・じゃあな」
だるそうに手を振り、仲間たちとの別れを惜しむことなく去っていくクオンを見送った。
「かわいそうだな~相手の子・・・」
そう言って顔を見合わせると、その話をこれ以上することを避けるのだった。
************
最低な誕生日に、最低なクリスマスに、最低な年末・・・・になると思われたキョーコの昨年は意外な形で一旦こう着状態になった。
なぜなら、相手の祖父が余命いくばくもないということで急遽婚姻関係だけを結んだのだが・・なんと、回復してしまったらしい。
新年早々告げられた事実に、喜ぶべきか悲しむべきか・・・・
(・・・それでも・・戸籍上は結婚してるままなんだし・・・・・)
最悪のままだ・・・と、一人打ちひしがれていた。
「困ったことになったな・・・久遠君はもう日本に来ているらしいし・・・・」
それを耳にしたキョーコは目を剥いた。
「はあ!?なんで!?」
「なんでって・・・こっちで結婚式を挙げるからに決まっているだろう?」
「ちょ・・・ほ、本気だったの!?」
「当たり前だ、冗談でこんなことできるか?・・・アイツが病室からウェブカメラで見るって言うからこっちにしたのに・・・」
ブツブツという祖父に、キョーコは声をかけられず項垂れるとすかさず妹のマリアが慰めに来てくれた。
「お姉さま・・・もし嫌な奴でしたら私が追い出してみせますわ!?・・・写真映りは・・良かったですけど・・・それだけじゃどんな人物かわかりませんものね!?」
「・・・マリアちゃん・・・」
頼もしい妹をぎゅうぎゅうに抱きしめると、嬉しそうな悲鳴を上げられ久しぶりにキョーコの顔に笑顔が戻った。
その笑顔にマリアが安堵して微笑み返してくれた時、家のチャイムが鳴った。
「出てくるね?」
キョーコはマリアをソファーにおろして、広い廊下をパタパタと走った。
いつもならお手伝いさんたちがいるのだが、年末年始でお休み中だった。
「はい!?どちら様ですか?」
がちゃっと開けた大きな玄関扉の向こう、門扉の所に青年が一人立っていた。
金髪の髪が、北風にさらさらと靡いている。
キョーコの問いかけに、青年はバックパックを片手で担いだまま返事もせず立ち尽くしたままだった。
「?・・・あの?・・・」
少し離れているとはいえ、声ぐらい聞こえそうなものなのだが一言も話す気配のない青年にキョーコは首を傾げながら近づいていった。
「あの・・・・」
「キョーコ・・・だろ?」
急に日本語で、しかも名前を呼ばれキョーコは息を飲んだ。
「・・・あ・・の・・・?」
少し嫌な予感がしながらも、薄いエメラルドに近い瞳を見つめ返しながら青年に一歩一歩近づいた。
「早く入れて?寒い・・・・俺の奥様なんだろ?」
酷く美人な青年にそう言われた瞬間、キョーコは外気温よりも全身の温度を下げ凍りついた。
「・・・・いや・・・もう、俺だけのものか」
すると青年は門扉の間から手を差し入れると、近寄ってきていたキョーコの手を掴んで引き寄せた。
「え?・・・・・」
がしゃんっと門扉に二人当たったと思った瞬間、キョーコの唇が青年の唇ともぶつかった。
「なっ、なにするの!?」
慌てて離れ、自分の唇を手の甲で拭ったキョーコに青年は口の端を上げて笑った。
「・・・これで・・・返品不可だ」
「・・・・はあ?!」
なにを言われているのかわからないキョーコは、憤りのまま声を上げると青年が不満そうに門扉を叩いた。
「ほら、早く入れろ・・・キョーコ・・お前の旦那のクオン・ヒズリだ」
ガシャンガシャンと門扉を小突くクオンに、キョーコは怒りで震えながら睨みつけた。
「私はあなたとの結婚なんか認めてません!どうぞ、お引取りを!」
「!?・・・キョーコが認めていなくても既に結婚している状態だろ?」
「そんなの紙切れだけじゃない!即刻白紙に戻しますから!・・・あなただって、私みたいのじゃない方がいいでしょう?二人の性格の不一致。これで離婚の理由ができましたから、どうぞ心置きなく離縁してください!」
言いたいだけ言って立ち去ろうと背を向けたキョーコに、クオンは舌打ちをするとバックパックを門扉の上から投げ入れた。
それはキョーコの目の前に派手な音を立てて落ちてきた。
「!?ちょっと!!あぶな・・・」
怒りに任せて注意をしようと振り返ったキョーコの前に、門扉を軽々と飛び越え舞い降りてくるクオンと目が合った。
「!!?」
「残念ながら俺は向こうを追い出されてきたんだ・・・・他にいく所はないからね・・・キョーコがどう思おうと俺は離婚も帰る気もないよ?」
そう宣言したクオンは、呆然としているキョーコの手と腰を攫い先程よりもずっと濃厚で長いキスを無理矢理して2日ほど痕が残る平手打ちをお見舞いされるのだった。
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