なんてことない非日常 -28ページ目

なんてことない非日常

スキビ非公認二次創作サイトです。
駄文ばかりの辺境館ですが、広いお心で読んでいただける方歓迎しております。

こんばんは~

すっかり浮遊霊と化している、ユンまんまでございます。


全く持って落ち着く・・ということができない日々の中、車が故障したり家のテレビが全部見れなくなったりとなにやらジワジワ嫌なことが続いております。


そんな気落ちの日々にも、楽しいことはやってくる!!


と、いうことで・・皆様、何度も足を運ばれてお楽しみいただいているLME studioはご存知ですよね!?


sunny様主体となって、美麗イラストや興奮必死のお話を収めた企画にございます!!


お誘いを受けて、ほいほいと乗ったまでは良かったのですが・・もう月末ですよ?今・・・

しかも開催は7月いっぱいなのに・・・


ようやく1話書けました・・・・・・ハハ・・・


もう、本当にすみません!!!

さに様、本当にいつもありがとうございます!!


明日、アップしてくださると言うことでお知らせにようやくこぎつけました~!!

(一話も出してないのに、紹介ができなかったのです・・・)


もし、ご存知ない方がいらっしゃいましたらLME studio ←こちら入り口からお入りくださいませ。


もう少し参加できたらな~・・・という野望を抱きつつ、ご報告とさせていただきます!


ユンまんまでした!!




§ルートX    57






 「な・・・によ・・・それ・・・勝手に人の運命を繋げないでよね!?」



キョーコは、そう叫んでから失敗したと思った。

のぼせた頭に、自分の叫び声がズキリと痛みを呼んだからだ。

それでも叫ばずにはいられなかった。

この状況では・・・。



「キョーコ・・・なんでコイツと会ってるんだ?」



そうショータローが問うと、レイノは面白そうに同じような質問をした。



「キョーコ・・なんでコイツなんかとここで遊んでいるんだ?」



その言葉にショータローは、外面を作ることなく酷く苛立った顔でレイノを睨みつけた。



「・・・『なんか』・・・だと?」



「・・・お前はキョーコを弄んでいたみたいだからな?今更キョーコにかまうなんて随分未練たらしいことをするんだな?」



「っ!・・・・・俺はコイツの親も知っているんだ、お前みたいな怪しい奴にかまわれてコイツが翌日のニュースなんかに出たりしたら俺の寝覚め目がワリーんだよ!」



二人の男の言い合いに、徐々にギャラリーが遠巻きに眺め始めたのに気づきながらもキョーコは痛みが酷くなってくる頭を抑え二人を止める事ができないでいた。



「ちょ・・・人を勝手に事件に突っ込まないでよ・・・・」



「そうだ、キョーコは無理やりではなく自ら進んで俺の所に来る」



「それもありえないから!!・・・っつ!・・・・」



鬼のような形相でレイノの言葉を否定したキョーコだったが、叫んだのは本当に良くなかった。

痛みでクラリとし始め、思わず俯いたその時だった。


バサリと頭に大判のバスタオルが被せられたのだ。



「!?」



そしてその頭は温かい何かでぎゅっと抱えられた。



「ぜってーやらねえ・・・お前の所には」



タオル越しにショータローの声がいやに近く響いてきた。

頭も体も支えられてキョーコは身動きができないが、ふらつく体は素直にその支えに寄りかかってしまった。

するとその支えは、さらに強い力でキョーコを支えると移動し始めた。



「アンタにそんなこと言う権利があるのか?」



「・・・・・・・・・・・・・ねぇよ・・でも、お前の所に行かせないようにさせることはできる」



「・・・・・・・・・・・・・」



レイノの声がくぐもって聞こえていたが、それが聞こえなくなった。

徐々にレイノから遠ざかっている事がわかり、キョーコは勝手に話を終えられて少し悔しいと思っていた。

けれど体調が万全でない今の状況ではいか仕方ないと、支えに連れられるままその場を後にしたのだった。



「お前・・・・ホント、バカだな?」



人気の途絶えた客室フロアーのエレベータホールで、キョーコはようやくタオルの中から解放された。



「何でよ!?」



「具合悪いならとっとと部屋に戻ればいいだろ・・・アイツの挑発に一々乗りやがって・・・」



図星を突かれたキョーコは一瞬押し黙ったが、意地になって口を尖らせ顔を背けた。



「ちょっと・・頭が痛くなっただけよっ・・・こっちはアンタたちの争いに巻き込まれていい迷惑なんだから!」



少し良くなったとはいえ、まだ痛む頭にキョーコは叫んだ後顔をしかめた。



「ばーか・・・ちょっと待ってろ」



エレベーター近くにある自販機に小銭を入れると、ショータローはスポーツドリンクのボタンを押した。

ガチャンとそれが落ちてくると、拾い上げキョーコに渡した。



「どーせ、広い風呂に喜びすぎてのぼせたんだろ?」



「っ・・・なによ・・・これ・・」



「飲め、脱水になりかけてんだろ」



「さっき水飲んだからいいわよ!それにアンタから物をもらうなんて明日は槍が降るわよ!?」



「水だけじゃ駄目だ、いいから飲め!」



キャップを開けられ、ぐいっと押し付けられた。

それを渋々受け取ったキョーコは、一口飲んだ。

するとショータローは、ほっとしたよな顔つきになった。



「すぐバカやるからなお前は・・・昔っから・・・・」



一度飲むと、すっかり乾いていた体には酷く美味しく感じキョーコはクピクピと喉にスポーツドリンクを流し込んだ。



「まだ顔をが赤い」



すっと伸びてきたショータローの手が、ひやりとキョーコの額に止まった。



「ちょ・・・触んないで!」



「なんだよっ心配してやってんだろ?!」



「アンタに心配されるなんて死期が早まりそうで怖いからやめてよね!?」



「何だと~!?」



「何よっ!・・っつ・・・」



回復したと思ったのだが、やはり痛みは残っていて叫んだキョーコは顔をしかめた。



「バーカ・・・・アイツのことは俺がどうにかするから、もう気にするな」



「・・・元はといえばアンタのせいでしょ?」



「・・・・・・・・ああ・・だな・・・・悪かった」



「!?」



「・・・・・・・・・・・・・なんだよ・・その顔・・・ムカツクな」



驚愕の表情で、ショータローを凝視するキョーコに頬を引きつらせるとキョーコは大きく息をついた。



「だって・・・『俺の物は俺のもの、キョーコの物も俺のもの』のアンタが私に飲み物買って来てくれたり、心配したりするなんて・・・・気持ち悪い」



心底嫌そうな顔つきでそう言いきるキョーコに、ショータローもため息をこぼした。



「俺はお前にとってはそんな認識なんだな?」



なぜか落ち込んでいるように見えるショータローの表情に、キョーコは首を傾げた。



(何を今更?)



「俺はそんな鬼じゃねえ」



「あっそう・・・じゃあ、ありがたく貰っといてあげる」



「可愛くない」



「おお嫌だ!あんたに可愛いなんて思われたくないわ!?」



「敦賀のヤローならいいって言うのかよ?」



急に出てきた蓮の名前に、キョーコはドキリとした。



「っコ・・・・敦賀さんは、いつでも可愛いって言ってくれてるもん・・・・・」



「けっ・・・・そうかよ・・・・で?あのおっさんはいつになったら迎えにくるんだ?」



そう聞かれてキョーコは首を捻った。



「へ?・・・今日は沖縄で雑誌の撮影してるから明後日にならないと、ここに合流しないけど?」



「はあああ?・・・たっく・・肝心な時にいないとか・・マジ使えね~」



「なによそれ?!敦賀さんはアンタと違って忙しいの!今回のスケジュールだって社さんが苦心の末に・・」



「はいはい、今いないなら結局役立たずだから」



「だから!」



「いいか、一人になるなよ?呼ばれたからってフラフラ付いて行くなよ?わかったな?」



ショータローは言いたいことを言いおくと、スタスタとキョーコの前から去っていった。



「な・・・なによ・・・あれ・・」



一人取り残されたキョーコは、飲みかけのペットボトルを持って首を傾げながら部屋に戻ることにした。



**************



「あ、キョーコちゃんお帰り~携帯鳴ってたよ?」



部屋に戻ると、百瀬が部屋のシャワーを終え浴衣に着替えた姿でそう教えてくれた。



(あ・・・コーン・・)



キョーコはペットボトルを小さな簡易テーブルに置くと、何度かあった着信履歴に焦りながら蓮に折り返した。


短いコールの後、直ぐに蓮の声が聞こえてきた。



『もしもし?キョーコちゃん?』



「あ・・ごめんね?お風呂に入りに行っていて・・・」



『ああ・・そうなんだ・・・うん、こっちこそごめん・・つい、何度も電話しちゃって・・・』



「ううん・・・・・・」



先ほどまでのことがあり、キョーコは思わず会話を詰まらせた。



『え・・・っと・・・そっちは・・どう?』



「え!?」



『あ・・・・撮影は明日からだったよね?・・・今日は観光した?』



「あ・・ああ!・・うん!百瀬さんと一緒に散歩して、軽井沢を満喫してきたよ~・・今時高原のお嬢様はいなって言われてショックだった~」



バスの中で、他の女性陣との話を出すと携帯から蓮の笑う声が流れてきてキョーコはほっと胸を撫で下ろした。



「でも、高原の水はあってね?お風呂でのぼせちゃったからそれを飲んでる時・・・・」



安堵したことで、口が軽くなっていたキョーコはハッと気づき慌てて口をつぐんだ。



『・・・・・・うん?飲んでる時どうしたの?・・・・・・・もしもし?』



「え?・・・あれ?なんか・・・電波悪い?・・・ごめん・・そろそろ夕食の時間だって・・・」



『ああ・・そうなんだ・・・・うん・・・わかった・・・あ!予定より早く迎えるようにしているんだけど、最短でも明日の夕方以降にしか行けそうにないんだ・・・・』



「そうなんだ・・・・大丈夫!初めてだけどまだ、失敗してないから!・・・・撮影は明日からだけど」



冗談を言って笑っているキョーコの様子を、百瀬は少し羨ましそうに眺めていたが少し様子がおかしいことに気づいてそっとキョーコの顔を覗き込んだ。



(!?)



キョーコの顔は口から漏れ出る楽しそうな笑い声とは真逆に、酷く強張っていた。



「・・・じゃあ・・・おやすみなさい」



『うん・・・・おやすみ・・・・』



電話を終え、しばらくそのまま動かないキョーコに、百瀬は恐る恐る近づいて声をかけようとしたがそれよりも一瞬早くキョーコが振り返った。



「百瀬さん、お待たせしました!夕食に行きましょう」



「え・・・あ・・・うん・・・・い・・こうか・・・」



「はい!何食べれるのか楽しみ!」



先ほどの表情なんて微塵もなく、笑って騒ぐキョーコに百瀬は目を瞬かせた。



「あ・・・の・・・・京子さん?」



「なんですか?」



「あ・・・・・・・ううん・・・・何でも・・ない・・・」



その表情の理由と、なぜ蓮にその事を言わないのか疑問ばかりが浮かぶ百瀬だったが何故だか踏み込める雰囲気ではないことを感じ取って小さく首を振ると先に部屋を出たキョーコの後を慌てて追ったのだった。










†Marriage end blue   5





 「・・・・・・・・は・・・れ?・・・・」



見慣れない部屋に、やたら広いベッドの上でキョーコは目を覚ました。



「・・・・・どこ?・・・ここ・・・」



広々とした部屋は宝田家と変わらない豪華さではあったが、生活感がため余計寒々しく感じた。


薄暗い部屋が、既に夕刻近いことを物語っている。

途端、キョーコの心臓がドクリと不安な音を立てた。


不安の黒い塊が急速に大きくなっていく。

こめかみに這う血管が、痛みを伴うほど力強く血液を押し流す。



(い・・やだ・・・・たすけて・・・)



全身が冷たくなって、ガタガタと震え始める。



(こわいっ・・・たすけて・・・だれか!!)



『お前は誰も助けてくれないらしいな?』



突然、キョーコの耳にそんな声が飛び込んできた。



「・・・・・・・ぃ・・・ゃ・・・」



『お前は要らないらしい』



「ゃ・・・・タスケテ・・・・」



『そうか・・・面倒だな・・・』



「ダレカ・・・・・・たす・・」



『コ ロ ス カ』



ガチャリとドアの開く音がした。

その途端、キョーコは絶叫した。



「い・・・いやああああああああ!!助けて!助けて!助けて!!」



「キョーコ!?どうした!?」



薄闇に響いていた声は消え、暴れるキョーコを抱きとめたのはクオンだった。



「いやああああああ!!」



それでもキョーコの正気は戻らず、でたらめに両腕を振り回し体をよじる。

しかしそれよりも強い力で、クオンはキョーコの細い体を抱きしめた。



「大丈夫!大丈夫だから」



頭や頬にキョーコの拳が当たっても、クオンは抱きしめ続けた。



「ここは君の家だ・・・ここが君の帰る場所だ・・」



優しく耳元でそういい続けると、徐々にキョーコから力が抜けそのうちくったりとしたまま再度眠ってしまった。

その寝顔にクオンは、大きく安堵の息をつくとそっとキョーコの体をベッドに横たえた。


乱れて顔に張り付いた髪を、少しずつ撫でとり優しく人差し指で頬の輪郭をなぞった。



「・・・・・キョーコちゃん・・・」



キョーコの苦しそうな寝顔を見つめながら、クオンは先日聞いたキョーコの過去と記憶についての出来事を思い返した。




****************




「・・・・誘拐?・・」



「ああ・・・・」



クオンと入れ替わるようにキョーコが風呂場へ向かった後、ローリィにキョーコがなぜ記憶をなくしているのか問い詰めた。


そして返ってきた言葉に、クオンは目を丸くしてオウム返しをするしかなかった。



「もしかして・・そのショックで?」



「・・・・・ショック・・・確かに・・・ただでさえそんな恐怖体験をすれば、幼心に自分の心を守るために記憶を閉じ込めるだろう・・・しかし、キョーコの場合はそれだけじゃないんだ・・・」



「?・・・それだけじゃ・・ない?」



「・・・・・キョーコは・・・宝田家の人間じゃないことが犯人に知れて、殺されかけた」



「・・・・は!?・・・え・・・どういう・・・」



混乱するクオンの前で、ローリィは悲しそうに目を伏せた。



「・・・あの子の母親は、キョーコがまだ6歳の時に失踪した・・・その時、同僚で仲も良かった俺の息子とその妻が一人になったキョーコを引き取りこの家に連れてきた」



苦しい過去を思い出すのを紛らわすため、ローリィは葉巻を燻らせワイングラスを回し中の液体がユラユラするのを目で追った。



「・・・・その時、仕事でアメリカに行く二人についって行ったキョーコにお前は会ったんだ」



「!・・・・・・」



そう言われてクオンは思い出した。

キョーコが一生懸命花冠を作っていたことを。


『お母さんが帰ってきたらこのお花の冠をあげるの!』


と言っていたのに、迎えに来た女性を『お母様』と呼びながらもそれを渡さなかったことを。


口元に拳を当て、考え込んでいるクオンにローリィは話を続けた。



「それから2年後、マリアが生まれた・・世間にも宝田家に子供が増えたとお祝いされた・・・・その半年後に事件が起きた・・・・キョーコは、マリアと間違えられて宝田家の身内として誘拐されたんだ」



「っ・・・・・・それで・・・」



「犯人は10億を請求してきた・・・俺はあの子を助けるためにその要求を呑もうとした、もちろん俺の息子である皇貴もだ・・・しかし、会社の連中が勝手にそれを跳ね除けた・・・」



「・・・・は!?」



ガタンと勢いよく椅子を倒してクオンは立ち上がった。



「・・・あの子は私たちに裏切られたと絶望しながら、首を絞められ殺されかかった」



クオンの体が怒りで震えた。

変えられない過去の出来事でも・・その時自分が何も出来ない子供だったとしても・・・キョーコの側にいられたらどんなに良かったかと、悔しくて悲しくて体が震えた。



「寸でのところで、場所を割り出したうちの私服警官が突入してキョーコを救出してくれた・・・・けれど、死の恐怖と裏切られた心は事件に関する記憶とそれを引き金にするような記憶を全て消し去った・・・」



「・・・・・・・・・・・・・・・」



「医者が言うには、出来ればこの出来事は思い出さないほうがいい・・・思い出せば心を壊してしまうと言われた・・・俺たちに出来るのは、会社の連中を黙らせるためにキョーコを養女に向かえ入れること・・・そして事件のことを思い出さないように過ごす事・・・・それだけだった」



***********



サラサラとキョーコの髪を梳いていた自分の手をじっと見つめた。

そしてぎゅううっと拳を作ると、爪が食い込みジワリと痛みを与えてきた。


それでも足りなかった。

キョーコを守れなかった悔しさを紛らわすには・・・・



「・・・・・キョーコちゃん・・・約束・・したのにごめん・・・・・君を・・守れなかった・・・ごめん・・・」



ベッドの上で小さく散らばっているキョーコの髪に、クオンは顔をうずめた。





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『ごめんね?・・・キョーコちゃん』



小さな男の子が私にそう話しかけた。

今にも泣き出してしまいそうな声だった。



『ごめんね?ごめん・・・まもるっていったのに・・・』



膝をすりむいた私の小さな膝小僧に、その子はただただ謝った。



『大丈夫だよ!私強いから大丈夫!!だから笑って?ね?』



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「・・わらって・・・・コーン・・・・・」



「!?キョーコちゃん!!?」



意識を取り戻したキョーコが、擦れる声で呟いた言葉にクオンは跳ね起きた。

そしてその声に、キョーコは今度こそ驚きと共に覚醒した。



「え!?なに!?何であなたがここに・・・え?ここ・・どこ?!ちょっと・・結婚式の後どうし・・」



見慣れない部屋に戸惑い、隣にいるクオンに質問攻めをしていたキョーコをクオンは抱きしめていた。


しばし呆然と固まっていたキョーコだったが、その後凄まじい音量の叫び声と張り手をクオンの頬にお見舞いするのだった。






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