草食系男子とは存在したのか? | 眠れない夜のための

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「草食系男子」

という言葉の成り行きは、興味を持って観察しています。
男性についても女性についても、特徴的な一群をカテゴライズする言葉というのは、
現れては消えていきますよね。

私が思いつくところで、特徴的なのは、
古いところで
「三高」とか「ボディコン」などから始まり、
「オバタリアン」とか「ヤマンバギャル」とか「ガングロ」とか
「ギャル」とか「ギャル男」とか…
私が生きてきた時代でも、ぱっと思いつくだけでも、多くの言葉が産まれています。

しかし、それらの言葉と、「草食系男子」が特徴的に異なるのは、
草食系男子とは、その人の性格特性にまで立ち入ったカテゴライズであるということです。
ほとんどの言葉が、その人のファッション・行動特性による分類であるにも関わらず、
草食系男子は、ファッション・行動特性を超えて、性格特性にまで踏み込んでいます。

まぁ、「ギャル」と言っただけで、ある程度の性格は想像しますが、
ギャルという言葉は、主に、その服装・髪型に照準していて、
性格というのは、あくまで副次的な要素です。

Wikipediaを引いてみましょう。

草食系男子の定義は論者によって異なる。深澤は、「草食男子」を、『恋愛に「縁がない」わけではないのに「積極的」ではない、「肉」欲に淡々とした「草食男子」』と定義した。森岡は、「草食系男子」を、「新世代の優しい男性のことで、異性をがつがつと求める肉食系ではない。異性と肩を並べて優しく草を食べることを願う草食系の男性のこと」と定義した。つまり、本来は少し場をわきまえてしなければいけない表現である。牛窪の定義は深澤の『平成男子図鑑』の論旨とほぼ同様。森岡は、その後、「草食系男子とは、心が優しく、男らしさに縛られておらず、恋愛にガツガツせず、傷ついたり傷つけたりすることが苦手な男子のこと」と再定義した

この定義を見ても、草食系男子という言葉が、性格を第一に照準していることは明らかです。

そこで、一つの疑問が産まれます。それは…
「草食系男子とは本当に存在したのか?」
という疑問です。

つまり、草食系男子がもともと存在したのではなくて、『草食系男子』という言葉が誕生したから、その概念に適合するような男子が産まれたのではないか?ということです。

本当は、
「時にはもっと男らしさとか、強引さとか必要だとは思うんだよな~。けど、なかなか押し出し弱いんだよね~。けど、もっと頑張らんといかんよな~男として」

と思っていた男子まで、「草食系男子」という言葉が誕生したことによって、
(その言葉が登場した時には、それがおおむねプラスの価値観を持っていたことも影響して)

「おっけ~。おれ、草食系でおっけ~」

ということがあったのではないかと思ったりします。
すぐさま、バランスをとるかのように、対立概念である「肉食系」という言葉も生まれましたが、
日本の性文化との絡みで、「オレ、肉食系!」という自己申告をしにくい状況もあるのか、
どうやら草食系男子は優勢のようです。

「草食系男子」、「肉食系男子」結局モテるのはどっち!?

この一つの言葉から産まれた、男性の恋愛傾向を是正するためには、
「草食系」と「肉食系」の間に大きく横たわるノーマンズランドに、
新たな概念を挿入していく試みが効果的でしょう。
女性誌などでは、「クリーミー系男子」とか「ロールキャベツ系男子」などの、
様々な中間領域のほどよい男子概念の設定の試みがなされているようですが、
いまいちうまくないと思えるのは、捕食行動によって統一されていないことです。





なので、私も新たな概念を作り出してみました。

1.光合成男子
2.草食系男子
3.雑食系男子
4.肉食系男子

草食系男子を光合成男子と雑食系男子の間に挟み込むことによって、
相対的に草食系の価値の再評価へとつなげると同時に、
草食系と肉食系の中間領域を、自己申告しやすい形でワーディングする。
なかなか、いけていると思うのですが、どうでしょう?