■世界的に希少な飛行機?
1998年3月にパキスタンでBAC-111という英国製の旅客機(一部ルーマニアで
ライセンス生産)に乗る機会がありました。98年当時、定期便で飛んでいるのは
パキスタンとナイジェリアぐらいと言われており、引退前に是非ということで、
いつも乗るPIA(パキスタン航空)ではなく、わざわざアエロエイシア(E4)のチケット
を購入。 (パキスタン航空より若干安かった)
1998年3月4日
ムルターンからカラチまで国内線を利用しましたが、まずムルターン出発時に
メンテナンスで2時間遅延。修理完了後、オンボロの機体はギシギシ言いながら
重そうにムルターンを離陸していきました。乗客は日本人が私1名、英国人らしき人
1名、あとはパキスタン人でほぼ満席。何だか不安。。。
機内食はパサパサの得体の知れないサンドウィッチ。
ホットミール(主にカレーとチャパティー)のパキスタン航空より劣る。
さらに運の悪いことに滅多に雨の降らないカラチ周辺に強烈な雷雲が
結局、郊外の砂漠上空を天候回復待ちで一時間以上旋回したあげく、
「天候は回復しませんが、燃料がないので着陸します。シートベルトをしっかり締め
なさい。 インシャアッラー(神の思し召しのままに)」
という不安を煽るようなキャプテンアナウンスと共に暗黒の積乱雲へと突っ込みました。
雷雲の中は漆黒の闇と稲妻の閃光、そして機体の姿勢がわからないほどの猛烈な
揺れでこれはダメかな?と一瞬思いましたがアラーの神の御蔭で機体が分解することも
なく、何とか着陸することができました。
カラチで降機するとき、機内は揺れで天井まで叩きつけられた機内食やら枕が散乱。
凄い状況でしたが、乗客を見送りもせず、何事もなかったかのように雑誌を読みふける
パキスタン人フライトアテンダント氏を見て驚愕したのを覚えています。
2000年にはナイジェリア北部のカノで同型のBAC-111が墜落。原因は老朽化ということで
同国では飛行禁止に。同じ頃、パキスタンの空からも引退しました。
私にとって貴重なフライト経験でした。