言い訳と正論のすり替え | 柏木ノアの人間関係改善術ブログ

言い訳と正論のすり替え

前回 のつづきです。


前回は、

誰かに言われたりされたことに対して怒りを感じたとき、


あなたがこう言うのだから、こっちがこれくらいのことを言ってもいいじゃない!っていうことの問題点・・・という話で、



・・・それって、どういうことなのかというと・・・



「自分がこう返すのは致し方ない」と、相手に向かって言っているんです。

本来は自分に言い聞かせる性質の言葉なのに。

それでいて、

そうなったことを相手のせいなのだ、と言い切っている。

怒りの原因になったことに対するやりとりとしては論点がずれています。


自分は本当は感情的じゃないんだけどね、って感情的になっておきながら言い訳しているという状況。


コントだったら笑いが起きるはずのシチュエーション。

それを真剣にやってしまっている。


つまり、

怒りを生んだきっかけになっている出来事そのものの本論に関してはまだ触れていなくて

自分のエゴのみ発表してみただけ、という状態なのに

自分が正しいことを言っていて、本論が進んでいるような気になっている上に

自ら怒りのネタを増やしている

・・・ありがちですけど、

相手を論破しようとする人って、

相手が迂闊なことを言うのを誘導しようとしすぎて

無駄に自分が怒りたくなるようなことをわざわざ言わせる、ってありますよね。


そこで「あんたがこう来たからこっちがこれくらい言っても・・・」って、

それは単なるストレス解消です。

ものすごく表現が良くないですが、

たまたま揚げ足とれる人が通りがかったから

うまいこといって叩きのめしてるだけ。

それを 

少なくとも自分発信じゃないからこっちは悪くないよね?

って、

相手が得しないようなことを相手に「うん」と言わせるように囲い込んでいるというややこしいひねくれ方。

でも、

全然すっきりしないんです。

自分が被害受けたからだ、って思ってるぶん。


結局、怒りの感情に自分が振り回される結果になっちゃうんです。


ものすごーーーーく 気持ちの無駄遣いなんですよね。

実際、どちらが正しいとか正しくないとか10対0で決まるような物事って無いわけで・・・。

常識と呼ばれるものすら、場面によっては正反対の意味を持つこともある。

◆言われなかったらこっちも言ってないけど


◆こういう人最近多いから言うけど

的な考え方や 話題のふり方は、

まあ、ずるい方法です。



耳に優しくないことを話し始める場合、

ずるいってわかってて言うならまだ嫌われるだけで済みますが、

わからないで言っている場合、何度も何度も同じことを色んな人に繰り返す可能性があるぶんまずいですよね。



正しい、と思ってしまっていると無理してでも押し通そうと頑張っちゃったりすることありますから。




言いたくないけど○○、っていうのは ずいぶんざっくり言っちゃうと嘘、だし 矛盾していることなので・・・



自分の意見を通そうとする時に使うと、信用をなくす場合もある、ということです。




だから、怒りの原因を見極めることが必要になってくるわけで、


前回お話ししたように、


「瞬間的にカッとすること自体は“あること”として捉えて良い」


というところにつながるわけです。




それ自体は出来事に対する単なる反応であるので

そこはそれで一旦納得して、その怒りを逃がすということが大事になるわけです。


その方法については、ケースバイケースではありますが、

とにかく、「どういうこと?」って思った、というリアクションを、

お互い笑って話せる雰囲気を保ちながらする、ということです。



怒りを感じたこと自体は否定しないように留意して、

それを相手に伝えるにも 相手が誤解したり感情的にならないような方法で、です。





そこまでやって初めて 「今の何?」って相手に普通のことのように訊ねられる状態に戻れるので、

クールダウンを意識しなければ

我慢しようとしても結局どこかで何かがねじれる原因になる、と思っておいてください。



やみくもに封じる我慢が美徳ではない です。

怒りの連鎖を生まないように工夫しながら自分のガス抜きをするのが知恵、です。



正しいと思って通すことって、たまに一個一個拭き掃除してやるみたいに確認しないと、知らないうちに望んでいない方向に行ってしまうこともあるんですよね。

それだけ強さがあるということでもありますけれど。