“盗まれた金”
なんだかシリーズ化していますが、引き続き僕と形成外科医について話していきます
前回は、教育には対価が必要だよ、ということを話しました
特に眼形成の教育をする際には、クリニック組織に迷惑をかけるだけなので、クリニックとしては三重苦四重苦の状態になるということも書きました
これが世の中の開業医が新人教育を行わない理由です
開業医というのは大学などでスキルを学び、ある程度技術レベルがプラトーになった医師がなるものです
新人教育みたいなことはすでにスキルのある医師にとって損しかない、だからスキルのある開業医は、次世代に遺すべきスキルがあったとしても、あえて火中の栗を拾うようなことはしないのです
自分が損をしますからね
でも僕は違います
自分で書くのもなんですが、僕は医師としては非常にレアな経験をさせていただきました
それは聖隷浜松病院への国内留学、そして米国への臨床留学です
国内留学と海外臨床留学、両方ともしたことのある医師って、ご存じの方いますか?
おそらくほとんど存在しないはずです
海外留学も、日本人の留学って基礎研究での留学がメイン、臨床留学していた医師ってほぼいない
僕はそんなレアな経験をさせていただいたので、何か日本社会に対して恩返しをしないといけないと強く思っています
だからこそ、三重苦四重苦である新人教育を引き受けるのです
だからといって、新人は教えてもらえるばかりだと思っちゃいけません
きちんとこちらが負担した教育のコストに対する対価を支払うべきです
恩返しをするべきなのです
これは僕にとっては全ての人間としての基本となるものです
日本人としての倫理・道徳にあたるものだと思います
前のブログでも書きましたが、僕にとっては新人医師を雇う、というのはそういうことであって、きちんと恩返しをしない医師は、僕から金を奪っていった泥棒と一緒なのです
さて、形成外科医がいかに眼形成手術に向いていないかという話を書きました
ここからは各論で各医師がどんな形で入職して、退職したのかについて書きたいと思います
僕は「“眼科医”が専門的に眼窩・眼瞼・涙道・美容の手術をするのが眼形成」だと思っています
これは世界で初めて眼形成学会が出来た米国では当たり前であって眼形成医師になるには眼科医でなければなれません
初期研修医2年、眼科研修医2年を経て、眼形成研修プログラム2年ののちにやっと眼形成学会に入るための資格が出来るのです
だから他科のドクターは入れないのです
眼形成は眼科医しか出来ない、これが世界の常識です
僕は米国でこれを経験し、眼形成は眼科医がするものであるというのを叩きこまれていますので形成外科医が眼形成手術を習得しようとするのは気が乗らないのです
ただ、個別に強く頼まれた場合には、「仕方ないなあ」と思いながらも4名を受け入れてきました
最初の形成外科医は女性のW林医師
眼形成がやりたいとのことで見学に来ました
形成外科医だったので眼形成は眼科医がやるものだよって伝えたのですが
本人はどうしても研修を受けたいとのこと
人が少ない時期でもあったし、形成外科医なんぼだろってことで受け入れ、週1で研修に来ました
「W先生は、オレにとっての形成外科医代表だからしっかりね」と何度も伝えました
妊娠出産を挟んで足掛け約2年勤務しました
眼科医である僕は、切開や縫合にこだわるのが形成外科医だと思っていたのですが(嘉鳥先生のこだわりで育ったので)、切開も、縫合も、そのほかのテクニックも未熟で
最後に至るまで顔写真すら満足に撮れない、手術も指導されていることと違うことをする
など、注意しつづけてきたのですが、改善されず
何度も、「あなたが、形成外科代表だからね」と伝えて叱りましたが全然ダメ
指導が必要な状態から抜け出せずにいて、その上また第3子妊娠したと報告を受け
それであればうちにとって居なくなってもらうことがメリットだったので、その日から来なくてよいと告げました
彼女には、計540万を支払いましたが、当院にとってメリットは全くありませんでした
もうここで形成外科はダメだなって思っていました
次に来たのは男性のS谷医師
あっちの医局でダメ、こっちの医局でダメ、となっていたS医師
当院に見学に来てすぐに研修を申し込まれました
形成外科医W医師で散々な目に合っていたのでお断りしたのですが、土下座する勢いで「お願いします」と言われ、それほど言うならとしぶしぶ快諾
出勤したその週にあった新人飲み会で耳を覆いたくなるようなセクハラ・パワハラ発言連発に次ぐ連発、翌朝、クビを宣告しました
4日勤務 24万円
三人目の女性のS藤医師
形成外科専門医を持っているが無医村などの地域医療に貢献したいので全身を診ることの出来る医師を目指しているとのこと
形成外科医はこりごりでしたが、地域医療に貢献するゼネラリストとしてならいいよ、ということで承諾しました
W医師とまったく同じで、切開も、縫合も、止血も、顔写真も、診断もすべて基準点に満たない
まえのブログでも話しましたが、もともと形成外科医だったからか、精緻なところを突き詰めることが出来ないのです
なんの戦力にもならないどころか、人の足をひっぱるレベルから抜け出せず
約1年の研修を経て、本人から「オキュロが求めるレベルに到達できない」と辞職の申し出がありました
約1年の勤務 114万
四人目は女性のM原医師
形成外科専門医と博士号を持っていました
学会で眼形成がやりたいとのことで声をかけられましたが、形成外科医に散々懲りていた僕は、それならば眼科医になりなさい、眼科医ならば受け入れてあげる、と伝えました
眼科のトレーニングを受けるためにいくつかの大学病院にかけあい、最終的に東京歯科大の眼科にお世話になることになりました
といっても研修医の給与しか大学からは出ないので、すでに形成外科専門医であった彼女の年収は大きく下がってしまいます
そこで眼科医になるまでの奨学金として、月に50万、それから週に1度の勤務で6万円を支給してあげたのです
海外の学会に連れて行ってあげたりしていたのですが、やはり形成外科医であるためか手術に対する解像度が低く、オペ動画見ていたとしても僕がやっている手技と全然違うことをしてしまうなどがあり、かなり強く注意したりしていました
ただ僕としても年間1000万程度渡すことになるので損切りも出来ず、新年度から週1からフルタイムに近くなればまだ技術向上は見込めるかな?と思っていたのです
来年度の勤務の話をした際に、体力的にきついので週3程度にしてほしいと言われたときに「?」と思っていたのですが、人の体力を他人が言うことではないかと流しました
そんな中、つい先日家族の大病が発覚したとのことで、地元に戻りたいというので「それであれば奨学金として支払った金額を返しなさい」と伝えました
翌週、出勤したところ、手紙が置いてあり、「辞めます」とのことでした
LINEで「辞める旨、了解しました。ただしそれならばお金は返してくださいね」と送りましたが、既読スルーされています
最終的に、無視ですか??? それが人間のやることですか?????
約1年の勤務 776万 (奨学金600万程度含む)
4名に払った金額 計1,454万
これはすべて彼らが研修を受けたいと請うた結果、僕が負担した金です
形成外科医って紹介しませんから、彼らから発生した当院の収入はありません
1500万近くの金額を、彼らに持っていかれたのと同じです
彼ら形成外科医がいなければ、当院の金庫には1500万があったはず
ほとほと形成外科医には呆れ果てました
僕は金輪際もう2度と形成外科医を弟子に持つことはありません
これからの未来、形成外科医は眼瞼手術が出来なくなります
なぜなら年間11500件の当グループが急速に眼科医の育成を行うからです
年間20例程度で眼瞼手術していたところでそれをウリに開業なんかできないのです
当院から出た眼形成外科医は1桁2桁違うオーダーで手術を行っていますから、彼らをそこに送り込みます
恨むなら、上記4名を恨んでください
僕は心から形成外科医に呆れ果てています
教育の対価を払うことなく、逃げ出した者たち
これが彼ら形成外科医が僕にした仕打ちです
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2023年 手術実績 11,491件 (2022年1-12月)
うち眼瞼下垂手術 6,241件
現 涙道涙液学会 理事
元 群馬大学 非常勤講師(2014-20)
元 帝京大学 非常勤講師(2017-19)
元 アジア太平洋眼形成学会 理事(2010-18)
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
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新前橋かしま眼科形成外科クリニック 前橋市古市町180-1
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山本美憂選手との対談はこちら
2019年11月10日のバセドウ病眼症講演会の内容はこちら
東京MXで紹介されました
OurAgeにバセドウ病眼症の治療を特集していただきました
https://ourage.jp/column/karada_genki/more/187841/
バセドウ病眼症に悩んでいる方はどうぞ
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