タロット心理学連載10.カードに聞く質問を作り変える

相談者の質問は曖昧なことが多い

相談者の中には相談内容を
うまく言葉でまとめられず、
質問を曖昧に表現してしまうことがよくあります。

典型的な曖昧な質問の例としては
「私、彼氏がいるんですけど、どうでしょう？」と
いったものがあります。

このような質問は、
具体的に何を相談したいのか、
あるいは何を知りたいのか
意図が掴みにくいのですが、

恋愛に限らず、仕事や人間関係、
金銭関係に関する悩みでも
同じように「どうでしょう？」と
聞かれることがあります。

そういった意図がよく分からない
相談をしてしまう相談者の心の内には

「何をどこから相談したらいいか分からない」
「自分でも何を知りたいか分からない」
「どう聞いたらいいか分からなくて焦ってしまった」
「鑑定師に安心できる言葉を言ってもらいたい」
「鑑定師に問題を浮き彫りにしてもらいたい」
「質問を絞ったら、他のことが聞けなくなるかもしれない」
「言わなくても分かってもらえるはず」など

いろんな期待や欲求など、
複雑な想いが絡み合っていることが多く、

それが無意識に影響して
悩み事が的確にまとめられなくなるようです。

ただでさえ人は自分のことが分からないのだから

悩んでいたら、ことさら
いろいろな思考が交差して、
客観的になれませんから、
意図が分からないような
質問になってしまっても
仕方がないでしょう。

心の奥底を掬い上げる質問をカードに聞く

また、人の意識は潜在意識が95％以上なので
自分でも気付かない心の奥底に
悩みを作り出している元凶があるものなのですが

そんな事を知っている人は少ないですから
普通の人は
自分の心の奥底の悩みが何であるか
分からないですし
自分の望んでいるものの先に、
実はもっと本当に望んでいるものがある、と
いうことすら知りません。

そして
自分で言葉にできる問題さえ解決すれば
人生がオールオッケーになる、と
信じてしまっている場合も多いです。

だから
言葉にされた内容だけが
その相談者の知りたいこと、と
決めてかかって

そのまま質問に対してタロットカードを
引いてしまったら
心の奥底をすくいあげることができず、
薄っぺらい表面的なリーディングになる
可能性が高くなります。

人の心は複雑で
思っているよりも、口で言ってることと
本音の間にギャップがあることが多いものです。

タロットでは、そんなズレを確認して
注意を向けるべき潜在意識の側面に
光を当てて、心を軽くするプロセスを
スピーディーに行うことができるので
タロットを深層心理分析に使用すると
とても便利です。

そのため、
心に寄り添うリーディングをするには、
シャッフルに入る前に

例えば、
「〇〇はどうでしょう？」という質問は
「〇〇が理想の状態になるには
どうしたらいいか？」というように

相談者からの質問内容を
潜在意識を汲み取る気持ちで
カードが答えやすい形に整えることが
とても重要です。

さらに
「〇〇という相談をしていらっしゃいますが、
このような質問にしてカードに聞くと
もっとピンポイントでアドバイスができます」と
お伺いを立てながらリーディングを進めると、

相談者も鑑定師が二人三脚で
一緒に心に向き合ってくれているという
心強さを感じてもらえるでしょう。