タロット心理学連載5.タロットの最善の使い方

タロットは心の鏡

誰だって
自分の姿を直接見ることはできないので、
姿を確認するには鏡のように
姿を映し出し、客観的に見ることを
可能にするものが必要です。

では、自分の内面や、心の中を
知りたい時にはどうしたらいいでしょう？

心にとっての鏡とは
出来事や周囲にいる人間に対する
自分の気持ちや、思考です。

あなたが人に対して思うことは
あなた自身の内面を表しています。

このメカニズムは心理学的に「投影」と呼ばれ
周囲に対して思うことに向き合うことで
自分自身を理解することができます。

タロットカードは言うなれば
この「投影」をするためのツールで、
内面にあるものを写し出す「心の鏡」です。

つまり、タロットの最善の使い方は
鏡を見ながら身だしなみを整えるように、
心の状態を健やかに保つために
客観的にチェックするための
ツールとすることです。

本当の望みは心の奥にある

タロットリーディングで相談をされる時に、
カードを引いて質問に答えることは重要ですが、

ただただ言われた質問だけに
焦点を当てて答えても響かない、と
感じてしまわれることがよくあります。

なぜなら、相談者が本当に望んでいることは
口に出した相談内容に対しての答えよりも

悩みの種になっているものを解消して
安心したい、という
ポジティブな感情を感じることだからです。

例えば、「お金が欲しい」と思っている人人が
本当に望んでいることは

お金を手に入れた後で
そのお金と交換できるものを得た時に感じる
ポジティブな感情です。

それは将来への安心だったり、
物を入手することでの喜びだったり、
権力や地位を確立することでの誇りだったり、
人さまざまです。

なんにしろ、心の奥底で
欲しかったものは実はお金ではない、
ということはままあることです。

では、なぜ最初から
その心の奥底にある本当の望みについて
質問をしないかというと、

人にとって
自分自身の心の奥底を認識することは
とても難しいことで、
自分を裏表しっかり知っている人は
そうそういないからです。

だからこそタロット鑑定師として
本当に心に寄り添う、ということは

相談者さんの
言葉になっていない
心の奥にある本当の望みについて考えて
どのような行動をとれば
望みを実現するすることができるか、
といったことをカードに聞いて
導いて差し上げること、ともいえます。

そうすると信頼され、選ばれて長く続けていける
タロット鑑定師になれるので

「この人はこういう質問をしているけれど、
それが本当にこの人の望みの全てかな？」

「本当に安心してもらうために
どういう言葉をかけて差し上げたらいいのかな？」

「どうしてこんな質問をしているのかな？」

といったことに対しても
カードを引いてあげてみてください。

人生を変える方法

生きていたら誰だって
悩んだり迷ったり困ったりすることがあります。

そして不快な気分を感じる時は
我慢をするよりも
不愉快な気分にならないように
意識や状況を変える選択をした方が
健全で建設的ですから、

ネガティブな感情を引き起こしている
人や出来事を
違う視点から見ることができれば
発想が変わり、解決策にたどり着くことができます。

けれども実に、
20世紀の偉大な科学者アインシュタインが

「いかなる問題も、
その問題を生み出した
同じ意識では解決できない」と言ったように、

人は、自分で気づかないことを
知ることができず、
また知らないものが何かを
想像することもできないので
悩みを自分だけで解決することは難しいのです。

だからこそタロットが役立つ理由は、
現時点での心の状態を映し出すことによって

嫌な感情の引き金となる
心の中で抱えているものは何か、
どのような行動や心構えになれば
解決になるのか、
何に納得できるのか、といったことに関して
客観的な視点で心との会話が
簡単になるようにヒントを与えてくれるからです。

一般論や、個人の意見を伝えるだけでは
信ぴょう性がなくても、

目に見える”カード”があれば
心理的に「メッセージの物理的証拠」と
捉えられやすくなるので

「こういう考え方がある」
「こういう生き方がある」
「こういう道もある」といったことに
耳を傾けてもらいやすくなります。

偏見や先入観から解放され
客観的に自分の心に向き合い
新しい視点を受け入れれば
悩みを作る習慣を手放すことができて
人生が変わります。