「『侍から農民に至るまで、全てを慈しむ事。人に捨てるようなところは無い。その人の長所を活かして短所には目を瞑る。どんな人でもその人を活かしてこそ名将だ。』(北条氏綱)
これに近い事を家康も述べている。何故戦国の世を生き抜いたリーダーたちがこのように考えたのでしょうか。それは領国経営に命を懸けていたからです。平和な時代に生死がかかっていないなら短所しか目に付かない人を『アイツは使えない』と放置しても自分の生死に影響はありません。しかし失敗したら自分が死ぬかもしれないという状況下では『限りある資源を有効活用しよう』という意識が働きます。どんな人でも長所を見つけて活用し総力戦で隣国大名に勝とうとするはずです。より多くの人の長所を活用したリーダーが、勝利して生き残るのです。」

「代わりは幾らでも居る」と言って従業員を粗末に扱っていた経営者どもに、言って聞かせてやりたい文句だ。

嘗て赤字社員だった俺に、俺の上司もこれに近い態度を取った。それで俺は会社を辞めた。その十年後に俺の居た会社は、見事に傾いた。