ネットでこんな一文を拾った。

「『その品物はいつできますか』と尋ねたら、『何日の目標でやっています』と答えた。稲盛はこれを聞くやいなや、叱りつけた。『何故何日までにやります』と答えられないのか。せめて『何日の予定です』と言わないのか。」

経営の神様・稲盛和夫氏は『逃げの精神』を忌み嫌った。小さな話なのかもしれないが、人と話していて、当たり障りのないことばかり言う人がいる。特に組織に属していると、そういう人は多い。
 もちろん組織において、いつも暴言ばかり吐く人は論外なのだろうが、会議において、あまりにも自分を守るような言葉ばかり言っていては、逆に信頼を失うのではないかと心配になる時がある。仕事をしていて、失敗を恐れることは自然な反応ではある。特に、まじめな人ほど失敗を恐れてしまう。
 私たちが理解しなければならないのは、『安全策』『逃げの精神』が自己の成長と組織の発展をいかに阻害するかという点だ。
 何でもかんでも『できます』とほざくのも信頼を無くすのだが、それ以上に、なんでもかんでも『できるかどうか、やってみないとわかりかねます』的な言葉を吐く人物に、経営者が信頼を寄せることはない。
 初めから成功が約束された事業やプロジェクトなどあまりなく、全体の30%は不透明な部分が残っているのは当たり前だ。であれば、言い方として70%の部分は『できます』と強く断言できるはずだ。
 それが会議で断言できないのは、徹底的に考え抜いていないか、それとも心理的な部分が作用しているかのどちらかであろう。
 まずはきちんと下調べなどの準備をし、できると判っている物については『できる』とはっきり言い切ることが大切だ。仕事への前向きな姿勢とはこういうことをいうのではないだろうか。」

「逃げの言葉」で僕はこう思った。「これは上念司氏の言う高学歴社員の常套文句だ。忖度力だけは抜群で、自己保身だけを考えているクズどもだからな。」こんな奴らが幅を利かせる、官界・法曹界・医療業界がイカれるのは当然だ。だがこいつらは、自分の利益に関わる事柄に関しては、「自分はできる」「自分しか出来ない」と言い張る。