明日3/17(日)14時より、J1リーグ第4節北海道コンサドーレ札幌戦が行われます。





予想メンバーはこちら。

ベンチ予想:
GK曽ヶ端 CBスンヒョン CH健斗 CH平戸
CH白崎 SHレアンドロ SH一真

この試合が終われば約2週間の中断期間。代表に安西とスンヒョン、U22代表に町田が(強化指定の上田も)、U20代表に安部が選ばれましたが、とりあえずは中断期間。ここが無理のさせどころですから、この試合に出場するメンバーが現状のベストメンバーと考えても良いと思います。


この試合のトピックスはこちら。

・変わったミシャサッカー
・左サイドの起点作りが肝
・序盤戦の「対3バック」総決算


『変わったミシャサッカー』

もしかすると今季当たったチームの中で最も完成度が高いチームはこの札幌かもしれません。ジョホールも良く練られたチームでしたが、札幌はそれ以上に隙がなく強い。チームとしての形ができていますし、新加入選手もフィットしています。

少し変わったかな、と思うのはロマンの中に現実的な勝つための拘りが見えて来たこと。昨季のサッカーもロングボールで捨てる形は見せていましたが、今季はその精度が高くなっています。高くなった理由の一つは代表選出された鈴木武蔵。高さで競り勝てるわ、収まるわ、足も速いわ、で言うことなし。ボールの放棄を一転、攻撃の形に出来る個となりました。

昨季までは都倉とジェイに当てこそすれど、ある程度近い位置に複数の選手が寄ってのセカンドボール回収が必要で、セカンドボール回収に負けるとカウンターを受けてしまう、という形が見受けられましたが、この鈴木武蔵が起点になり、アンデルソンロペスとルーカスフェルナンデスという運べる選手のフィットにより昨季よりも攻め残りに人数を割く対応ができるようになっています。

サイドのCBが上がっての6枚による攻撃が特徴的だったミシャサッカーも、この対応が可能になったからか今までよりもサイドのCBの上がりが少なく、それでいてミシャコンビネーションが発揮できるという完成度の高さ。チャナティップの脚の良さによるところも大きいですね。非常に危険な選手です。

多少オープンな展開になったとしても後ろに人数が割けている分、それほど崩される展開が少ないところまで持って来ています。これはJリーグで勝ち点を積み上げるために必要な部分でしょう。拮抗したリーグですから得失点差も順位付けに重要になって来る中で、多くの得点を目指しながら、失点はなるべく少なくする。当たり前のようでいて、なかなか設計できない部分が設計されているように思います。


『左サイドの起点作りが肝』

札幌攻略に必要なのは運べるルーカスフェルナンデスを守備にウェイトを置かせる低い位置でのピン留めと被サイドチェンジの防止です。共にやりたいのは鹿島側左サイドで攻守における起点を作ること。

右から左へサイドチェンジをさせてしまうと、今のスライド守備のレベルでは間に合わないことが多くなってしまいますし、左CBに福森という正確無比の砲台がいる以上、札幌は右に仕掛ける選手を置いて鹿島側の数的優位をなくした状態から1vs1に勝つことでチャンスを作って来るでしょう。

これをさせないためにはまず相手の攻撃のスタートを鹿島側左からにさせることが必要です。この辺は今季成功を収めている部分ですから不安要素なく見ることができる部分でしょう。

あとはボールを受ける場所と失う場所。基本的にこの試合は相手がポゼッションを握るはずです。ですから攻撃の形はカウンターの形が多くなるはずです。
受ける場所は相手右CBと右WBの間サイド寄りで起点を作りたい。相手CHのフォローが行き届かない場所から内側に入って3人を引きつけられれば自ずと道が拓けます。

図1:起点作り



あくまでもこんな感じのイメージってところで解釈してください。

今季の札幌は思ってるよりも被カウンターは人に行きます。行きすぎるくらい。捕まる可能性も低くはありませんが、距離感によっては安部のテリトリーでもあるところ。前に仕掛ける気概と得点に近づくためのプレーを思い出して欲しいですね。

逆にここで攻撃が停滞するようだと苦戦は必至。正直右には隙がないので如何に鹿島右SH vs 福森の1vs1の状況が作れるか、なのでまず左で起点を作って右にサイドチェンジという展開を頭に入れて行かねばなりません。

背番号10が「鹿島の」背番号10たる所以を見せるための試合になるでしょう。


『序盤戦の「対3バック」総決算』

札幌がより現実的な戦い方を得たことで、ミシャ対策をする必要がなくなりました。3バックのチームとの対戦の準備で良くなった節があります。そもそもミシャサッカーは4-4-2型のチームへの対抗策でしたから、鹿島としては入念な準備が必要でした。それが必要なくなったことは鹿島にとっては朗報ですが、札幌としてはやることがシンプルになった分だけ強みを発揮できるようにもなっています。配置のミスマッチをどう殺して、どう生かすか、です。

守備はどちらかと言えば大分、湘南とやって安定して来ましたから対応はできるとして、問題は攻撃の方。
ブロックをセットされてしまえば苦手な5-4ブロックを敷かれますし、バイタルエリアも締まっている。カウンターでも数的優位は取りにくい。個々のアイディア爆発とならなければなかなか得点に近付くことは難しいかもしれません。

やることは愚直に1枚1枚剥がして行くこと。その先にイメージ共有があれば。左から右へのサイドチェンジから篤人→伊藤の流れに期待です。


おそらくこの試合もミドルブロックをセットして、勝ち点を奪いに行く戦い方を選ぶでしょう。できれば中断前のこの試合で守備が上手く行っている流れを継続して、中断期間中には攻撃面の約束事に注力、整備をしてもらいたいところ。是が非でも最少失点で抑えたい試合です。

代表に選ばれた選手達の奮起にも期待したいですね。選ばれたから終わり、ではなくここからがスタート。まずは鹿島で活躍して、それを自信として代表活動に繋げて欲しいと思います。良い結果を出して送り出したいですしね。それが彼らのキャリアアップに繋がるわけですから。