12/15(土)22時(現地時間17時)より、CWC準々決勝グアダラハラ戦が行われ、3-2で勝利。準決勝に進出しました。

メンバーはこちら。

レアンドロ 45分→安部 45分
聖真 80分→安西 10分 安西を左SH、安部をトップ下気味のFWへ。
遠藤 87分→大伍 3分

※選手評価は本日より、中0日の13連戦が始まるため休養をがっつり取らさせていただきましたので割愛させていただきます。


失点は3分。最早見慣れた立ち上がりのバタバタから、最も警戒すべきハーフレーンを使われたカウンターから。
脩斗が付くか、昌子が行くのかはっきりしないまま流れたこの時間に、わかりやすい鹿島の弱点をモロに突かれての失点でした。

この時、「ヤベェ…研究したってやつ、ガチなやつだ…」と戦々恐々しました。
明らかにレオを狙ったボール奪取をして来ていましたし、サイドを絞って真ん中でボール奪取を試みて来ました。少なくとも鹿島の弱点は完全に掴まれていました。

前半はそこにアジャストできずに悪い形でボールを失い続けたことが劣勢に陥った原因に。
それでも0-1で終わらせてしまう辺りが鹿島アントラーズというチームの憎いところ。相手にイケるというイメージを持たせたまま前半を折り返しました。結果論ではありますが、後半はこの早い時間での失点が功を奏します。

0-1で大した決定機すら作れなかったことを考えてか、相手はボランチを低い位置に設定して、やり方は変えないものの、ある程度守りを固める方向にシフト。
対して鹿島は狙いどころになっていたレオをDFラインに吸収したビルドアップに変更し、永木が前目で相手にアタックしながらカウンターの第一の受け手になることを選択。更にプレースタイル的にこの相手では網に引っかかってしまうレアンドロに代えて安部を投入しました。

これにより試合は前半のような網の掛け合いではなく、お互いに狙い所で奪ってからのカウンター合戦という形に変化しました。

ここで試合のペースを握ったのが鹿島。
相手の重心が下がったことにより、左は安部が得意なエリアであるボランチ脇を自在に使うことができるようになり、右は篤人が高い位置を保てるように。

チーバス・グアダラハラはプロレスが盛んなメキシコ国内ではヒール(クラブアメリカ)と対峙する「良いモン」で通っているようで、それに相応しく守備組織の秩序の維持を優先的に動いて来ました。
前半から聖真の無秩序なプレーを嫌がり、無駄に着いて行ってしまうことで鹿島側にサイドを簡単にやらせてくれるなどの綻びを見せていた中で、もう一枚無秩序をもたらす安部の投入はピンズド。決してレアンドロが悪かったわけではなく、むしろ基本に忠実なレアンドロはこの相手にハマってしまうタイプだったことは記載しなければならないところです。これは今のブラジル代表が抱えている問題の一つですかね…。ブラジルの色が濃い鹿島も同様の問題を抱えているのかもしれません。

相手からしたらなぜ崩れているのかわからない状態に。それも後半開始早々に自分達の最大の武器であるカウンターから完璧な一発を食らってしまったわけです。HTに話し合ったゲームプランが崩れました。しかしながら前半はそのままで上手くいっていたはず。なぜ上手くいかなくなってしまったのか…。そのことと向き合いながら自分達とは逆の無秩序に対抗しなければならない。
迷いから次第に重心は更に後ろに下がり、自ら押し込まれる形を作ってしまいました。

こうなりゃ鹿島は強い。相手に対して選択肢を増やし続け、秩序をぶち壊すだけ。
前半許されなかったペナ角への縦パスを成功させると聖真が狭い局面でのキープ力を見せて鹿島史上2度目のVAR判定のPKを奪取。これをセルジーニョが蹴る技術力を見せつけるかのように踏み込みで相手GKの逆を突き、左隅に流し込んで逆転。

ここまでの約25分間は鹿島のペースでしたが、この後も畳み掛けるような守備で焦る相手を封殺。鹿島は中盤に大伍を投入して内外両方で受けられる狙いどころを増やすことでボールをゴール前から遠ざける策を講じて、これに成功。更に遠ざけることと、一人でも前にボールを運ぶことでカウンターを仕掛けることを目的として安西を左SHに投入し、無秩序を作っていた聖真を下げたため、安部を真ん中へ。

この采配ズバリ。安西が持ち上がり、安部とのコンビで左サイドを切り裂くと、左45度のデルピエロゾーンから安部が右足一閃。大会No.1に選ばれるんじゃないかくらいのゴラッソで3-1。試合を決定付けました。

いらないPKから2失点目を喫したものの(とはいえスンテが止めましたが)、スコア以上に鹿島の試合巧者ぶりを世界に見せつけました。特に前後半での修正力の源である分析班の強さは世界に誇れるところ。そのデータを生かして勝利に繋げたスタッフ、選手もあっぱれでした。

また悪役になってしまいましたな…フフッ。


さぁこれで準決勝に進むことができました。次は再びレアルマドリーと合間みえます。
「リベンジ」という声も聞こえて来ますね。この3年で2度目の対戦は誇らしいこと。ここで満足する鹿島ファミリーではないですよね。

世界の頂点まで後2つです。