「この世の全ては「運」という得体の知れない根も葉もないもので構成されている

但し、それを求めぬ者、準備ができていない者は、その幸運に気づけない」

 

 

 

小さな歯車が出来上がった僕達

さらに大きく速く回り始めたのは

ギターの中田くんが加入してからでした。

 

彼の音楽以外での目に見えない重要な役割があったからこそ、躍進していきました。

 

愛車のドラッグスターを売って、機材車を購入してくれた事

(機材車ぼったくられてたけど・・・・)

 

自ら外交役となって色んな人達と交遊してくれた事

(ほとんど先輩だったのでいじられてましたが・・・)

 

バンドの風紀を正す役目を担ってくれた事

(ライブ後は誰よりも臭う彼ではあります・・・・・・)

 

行動という事への着火剤、カンフル剤となってくれた事

(今ではまったく考えられませんが、中田くんは当時の彼女と別れて酒に酔い、機材車運転→1升瓶片手に検問にひっかかるというウルトラC)

 

昔気質の、お父さん体質ですね。

 

彼が好かれる理由はこういう所にあるんですね。

 

 

そして、僕達は着実に積み重ねました。

青春パンクブームという追い風もあり

する事なす事全てがうまくいったように感じました。

鹿島はこの頃、希望が確信に変わったと古き日記に記してありました。

 

地元TVの出演→優勝

デモテープ500まぁまぁ即完

県外ライブ大盛況

 

しかし、バンドとしては、ただの通過点に過ぎず、

メンバー1人1人が生活できるだけのお金を捻出するのがとりあえずの目標でした。

 

 

昔のアマチュアバンドマンは過酷です。

 

月4本ほどのライブ→ノルマ一人10000円くらい→友達なんていない。

あっ打ち上げ代3000円!いっきいっき!

13000円×4=52000円/月

 

スタジオ代→週2.3は練習しないと→プラクティス!プラクティス!

2000円×10=20000円/月

 

楽器や、エフェクター、弦、機材、買わないと!よし!

魔法のカード発動!ローン祭りだ!わっしょい!

なんなら、楽器のローンは重複しちゃうぞ!

25000円/月

 

衣装とか・・・・・・いるな!

よし!ローンローンヘルだ!

 

10000円/月

 

バンド経費 107000円/月

 

フリーター1人暮らしの鹿島はバンド活動の経費がかさみ消費者金融への借り入れが100万を超えようとしていました。

 

あれ?いつ個人練習したり曲作るの・・・・・・?

 

バイトでしょ!!!!!!

 

コンビニでのバイトをしてまして、

店長さんには容認してもらい、休憩中はベースと曲を・・・・(レジ打ちの場所では歌詞を・・すいません)大変ありがたかったです。

 

当時、飲みに行くとか、友達と遊ぶとか、そんな記憶はございません。

いえ、その前にお金がございません。

 

鹿島の借金の雲行きが怪しくなった頃合い

めでたくインディーズデビューするのでした。

 

 

「個人ではなく、4人でなにかをする事によって、

 

確実に運気が上がるジャパハリネット

 

幸運があっての事ではあるが

 

そこには、彼等の直向きな想いと地道な努力があったことは間違いない」