悲しみ深く 胸に沈めたら この旅終えて 街に帰ろう

我々高齢者は最近の歌を聴いていて、「昭和の歌はメロディも歌詞も分かり易かった」と思う。 名曲と言われる多くの曲がうまれ、僕も好きな曲が幾つもある。 「岬めぐり」も、その中の一つだ。

 

 

山本コウタロー(右)とウィークエンドが昭和49年(1974年)にリリースしたフォークソング楽曲。 僕と山本コウタロー氏は同世代で、同じ時期に青春時代を過ごしている。 上のレコードジャケット写真で、三人がはいているズボンが懐かしい。 先がラッパのように開いているので、「ラッパズボン」と言う。

 

一橋大学在学中に組んでいたバンド「ソルティ・シュガー」が発表した「走れコウタロー」が大ヒットしているので、「岬めぐり」は彼にとって二本目のヒット曲となる。 その後、歌手としての活動を続けながらも、核廃絶を訴えた環境問題・平和問題・自然農法にも取り組んでいる。 白鴎大学で教壇に立つ教授も務めていたが・・・その山本コウタロー氏が今年(2022年)7月4日、脳内出血により73歳の若さで永眠された。 

 

山本コウタロー氏を偲んで、8月頃から「岬めぐり」をYou-Tubeで編集しようと考えていた。 もう7~8年前だったか、焼き鳥屋の飲み仲間たちと志賀島一周のウォーキングをしたことがある。 その時ちょうどウォークマンから「岬めぐり」が流れて来て、情景がぴったりだと懐かしんだことを思い出した。 

無理やり奥さんに運転を頼み、香椎照葉から志賀島一周の動画を撮ってきた。 それらを編集して完成したのが、次のYou-Tubeです。 まずは視聴ください。

 

「岬めぐり」 山本コウタロー  (志賀島)     香椎うっちゃん編集

 

岬めぐり  (作詞:山上路夫 作曲:山本厚太郎)

あなたがいつか 話してくれた  岬を僕は 訪ねて来た
二人で行くと 約束したが  今ではそれも かなわないこと

岬めぐりの バスは走る  窓に広がる 青い海よ
悲しみ深く 胸に沈めたら  この旅終えて 街に帰ろう

幸せそうな 人々たちと  岬をまわる 一人で僕は
くだける波の あの激しさで  あなたをもっと 愛したかった
岬めぐりの バスは走る  僕はどうして 生きていこう
悲しみ深く 胸に沈めたら  この旅終えて 街に帰ろう

 

岬めぐりの バスは走る  窓に広がる 青い海よ
悲しみ深く 胸に沈めたら  この旅終えて 街に帰ろう

 

如何でしたか? 作詞者の山上路夫氏はこの歌を作詞するに当たり、全国の幾つかの「」を訪れたそうです。 僕は歌詞の中の「」は伊豆半島ではないかと聞いたことがある。 しかし、今回完成したYou-Tubeを見て・・・もしかしたら、山上路夫氏は志賀島にも来た可能性もあるかも、ですね。(笑)

 

僕がある楽曲を好きになるキッカケの要素は、メロディと歌詞で言えばメロディの方だ。 先にメロディやリズムの感覚が頭に入って来て好きになる。 ぼんやり聞き流すような、鼻歌で唄えるような軽快さが好きなのだ。 この「岬めぐり」も軽快なメロディが僕の波長と合った。  

 

そして何度も聴いているうちに、次第に歌詞が頭に入って来て意味が分かってくる。 「本当は愛する人と二人で乗るバスだったけど、もうそれが叶うことはない」・・・明るいメロディなのに、傷心旅行の歌だったのだ。 

 

しかも、それもただの失恋傷心旅行ではなかった。 

二人で行くと 約束したが 今ではそれも かなわないこと

くだける波の あの激しさで あなたをもっと 愛したかった

この部分の強烈な歌詞で、失恋ではなく死別だろうと確信できる。  この絶望感が漂う歌詞に、メロディが重苦しく暗い曲調だったら恐らくヒットしていないでしょう。 歌詞とメロディ・テンポが相反する中に穏やかで完璧な調和が生まれた・・・この楽曲には、そんな素晴らしさを感じる。

 

加えて、歌詞の1番・2番・3番ともに最後が、

悲しみ深く 胸に沈めたら この旅終えて 街に帰ろうとなっている。 

 

僕はこのフレーズが好きだなあ。 懸命に前向きに生きようとしていて、応援したくなる。

彼がこの旅終えて 帰っていく「」を、You-Tubeでは高層マンションが建つ香椎照葉にした。

彼が立ち直って、将来が上手く行きそうに感じる風景だったから・・・。

 

山本コウタローさん、安らかにお眠り下さい。 ご冥福をお祈りします。

 

 

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