アンド・アイ・ラブ・ハー (ザ・ビートルズ)
ビートルズの初主演映画「ビートルズがやってくる ヤア!ヤア!ヤア!」の挿入歌です。
この映画の主題歌はご存知「A Hard Days Night」で大ヒットしました。
ビートルズの”思い出の曲”は「全部」と言っても良いのですが、今日はこの曲にしました。
映画の公開から暫くしてからシングル・カットされたのですが、ビルボードの10位以内には入らなかったと思います。
でも、ロックバンドとしては異色のバラード調の曲で、大好きでした。
作詞・作曲はポール・マッカートニー。ポールの恋人への想いを曲にしたものでした。
後ほどの”YOU-TUBE”の映像でも分かるのですが、ポールのベースギター以外の3人はまったく通常のスタイルと違います。
ジョンはアコースティックギター、ジョージはガットギター、リンゴはクラベス(ボンゴ)に持ち替えて演奏しています。
でも彼らは神様のようなミュージシャンですね。ポールの独特のベースギター演奏。曲中間部でのジョージのソロ演奏・・・胸にジーンときます。 リンゴのクラベスを叩くリズム感。また、ジョンのリズムギタープレイは流石です。
このスタイルでのライブステージ演奏は一回もありません。 無理ですよね。
それから、この楽曲は途中で半音上げて転調しているのですが、うっちゃんにはそこが新鮮でした。後に日本のミュージシャンの多くが、この”半音上げ転調”を自身の曲に取り入れています。
この屈指のラブソングが後の名曲「イエスタデイ」につながります。
「イエスタデイ」はポール一人だけでの録音ですが・・・4人で演奏していたら、どんな楽器を使用したのでしょう。興味あるところです。
それでは聴いて下さい。
映画のリハーサルシーンの映像です。
And I Love Her Paul McCartney
I give her all my love that's all I do
And if you saw my love you'd love her too
I love her
She gives me everything and tenderly
The kiss my lover brings She brings to me
And I love her
A love like ours could never die
As long as I Have you near me
Bright are the stars that shine Dark is a sky
I know this love of mine Will never die
And I love her
半音上がり転調 ジョージのソロ演奏
Bright are the stars that shine Dark is a sky
I know this love of mine Will never die
And I love her
うっちゃンは20歳代の初め、ビートルズの曲をギターで唄いたいと思ったのです。
そこで、ビートルズのメロディ譜面・コード付きの歌集を買ってきたのです。
それが40年以上前の下の写真。実家に残っていました。
●懐かしい”ビートルズ”の歌集
歌集を買ったその日の夜、中を開いて落ち込んでしまいました。
ジョンやポールの”脳みそ”はどんな構造をしているのか・・・・
記載されているコードがB♭7、A♭、Em7、G♯m、C♯m7・・・こんなんばかりです。
うっちゃんがガットギターの弦を押さえて弾けるコードは、C、Am、Dm、G7、F、Em、こんなもんなのでした。
これでよくも”ビートルズ”を唄おうなんて・・・馬鹿ですね。
しかし、これで諦めないのが”うっちゃん”。
いま弾けるコードだけで唄える曲を探したのです。
コードが組み換えしやすくて、英語の歌詞がかんたんな曲。
それが「アンド・アイ・ラブ・ハー」でした。
歌集の間に、うっちゃんの40数年前の努力の跡(コピー)が残っていました。
●ビートルズ歌集の「アンド・アイ・ラブ・ハー」のページ
音楽の才能がない”うっちゃ”がどんな方法でコードを変えたか?
歌集の中の楽譜の上にコードが記されています。
この中で使用されているコードは、Dm、Cm、A♭、B♭7、E♭、B♭、Gmです。
うっちゃンが弾けるコードで、mと7の付加記号がついていないのは、CとFです。
楽譜の中で付加記号が付いていないのは、A♭、E♭、B♭、の三つです。
この三つのどれかをCまたはFに置き換えて、全てがうっちゃンが弾けるコードで収まれば良い訳です。
例えばA♭をCに置き換えます。
下の表を見て下さい。(昔を思い出して作ってみました)
●音階(コード)書き換え用の図
音と音の間は1.0 、ミとファ、それとシとドの間はシャープとフラットと同じ半音ですから、O.5と計算します。
A♭はAの0.5下ですから、A♭からCは上に2.Oの差があります。
こうして全ての楽譜の中のコードを2.0上に上げます。
結果、全ての新しいコードがうっちゃんの弾けるC、Am、Dm、G7、F、Em、に収まればOKです。でもこの場合は不可でした。
A♭を1.5下のFにすると、当てはまりました。
コピー楽譜のボールペンで書いた赤い文字が、当てはまったコードです。FmをDmからスタートすれば、うっちゃんはギターで「アンド・アイ・ラブ・ハー」を唄えるのです。
勿論、半音上がりの転調は無理ですよ。
音楽に秀でた方は、アホなことをしてるな、とお思いでしょうが・・・いいじゃないですか、これでうっちゃんは色んな歌を唄って青春を楽しんだのですから。
「アンド・アイ・ラブ・ハー」の曲の最後はギターのジャーンでカッコ良く終わります。
このコードが今回の場合、Aになるのですが、これはAmから指を少し動かすだけでしたから楽に弾けました。
40数年前の楽譜で40数年ぶりに「アンド・アイ・ラブ・ハー」を唄ってみました。
●うっちゃんの部屋で
ポールのような音域の声が出ませんので、ギターの指板にカポを付けて調整します。
上手く唄えたのかって?・・・想像にお任せします。 って言うか、尋ねないで下さい。
思い出の一曲