「花のサンフランシスコ」 唄 スコット・マッケンジー
 
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うっちゃんにとって、心が震えるレコードの一つです。
このレコードの音源をデジタル化して、You-Tubeを編集しました。 画面は福岡市の「花プロジェクト」をテーマにして市内の花名所を紹介しています。 まずは聴いて下さい。

 

1965~1970年、当時のカリフォルニアには伝統や既成制度に縛られた人間生活を否定する若者集団が現れていました。俗に言う”ヒッピー”です。 特にサンフランシスコはヒッピーが、音楽・ドラッグ・フリーセックス・自由と平和等など、意思を表示する中心地とされていました。
 
ベトナム戦争が泥沼化して来たなか、アメリカの若者とりわけカリフォルニアのヒッピーは、反戦活動のスローガンに「武器ではなく、花を」を掲げていました。 そして反戦集会には、頭に花を飾った若者達が集まってくるようになります。
 
1967年6月16日から3日間にかけて、カリフォルニア州モントレーで「モントレー・ポップ・フェスティバル」が開かれました。野外音楽コンサートの元祖と呼ばれています。 3日間で20万人の若者を動員し、これが後に1969年の「ウッド・ストック」(40万人)に繋がっていきます。(*モントレーはサンフランシスコの南方の地)
 
このフェスティバルのプロデュースに関わり、成功に導いた主要人物が”ジョン・フィリップ”。1965年に大ヒットした「夢のカリフォルニア California Dreamin’」を歌った”ママス&パパス”のリーダーです。 ”ママス&パパス”はヒッピーの音楽活動から生まれたグループ、と言っても過言ではありません。ジョン・フィリップはヒッピーの反戦活動、そして愛と自由を訴えるエネルギーを最大限に盛り上げるために「モントレー・ポップ・フェスティバル」の開催を考えたのです。
 
彼の音楽の親友に”スコット・マッケンジー”と言う幼なじみがいました。 ”ジョン・フィリップ”は「モントレー・ポップ・フェスティバル」のプロモーション・テーマ曲を作詩・作曲し、最終日の最後のステージで”スコット・マッケンジー”に歌わせました。 そのプロモーション・テーマ曲が「花のサンフランシスコ」だったのです。
「花のサンフランシスコ」はヒッピーの反戦活動を応援する平和の歌として、たちまち大ヒットとなります。この日以降、この曲は全米のいや全世界の反戦集会で歌われるようになりました。
 
 
花のサンフランシスコ
作詩・作曲 : ジョン・フィリップ   唄 : スコット・マッケンジー
 
If you're going to SanFrancisco
Be sure to wear some flowers in your hair
If you're going to SanFrancisco
You're gonna meet some gentle people there
 
For those who come to sanFrancisco
Summertime will be a love-in there
In the streets of SanFrancisco
gentle people with flowers in there hair
 
All across the nation such a strange vibration
People in motion
There's a whole generation with a new explanation
People in motion  People in motion
 
For those who come to SanFrancisco
Be sure to wear some flowers in your hair
 
If you come to SanFrancisco
Summertime will be a love-in there
 
If you come to SanFrancisco
Summertime will be a love-in there
 
この歌は、ただ普通に歌詞を読んで聴くと、”サンフランシスコは素晴らしい町なので、是非来て下さい”と言う誘客宣伝用の楽曲のように思えるのですが・・・「モントレー・ポップ・フェスティバル」の事を知ると、違った聴き方になります。 反戦、愛と平和集会の応援歌とした場合に、幾つか注意するところがあります。
 
You're gonna meet some gentle people there
 
この「gentle peole」は訪問客をもてなしする優しい・親切な人ではなく、”平和な気持ちを持った人”と解釈したほうが良いようです。
 
Summertime will be a love-in there
 
この歌詞の中には意識すべき点が二つあります。 一つはSummertime 、ジョン・フィリップは「モントレー・ポップ・フェスティバル」の合言葉を「Summer of love」と謳って若者を呼び集めました。 歌詞の中のSummertimeはその合言葉「Summer of love」へ誘うメッセージなのです。
 
もう一つはlove-in 。ベトナム反戦運動始まりの頃、学生の座り込み集会を「Sit-In」と言っていたことから、サンフランシスコのヒッピーは自分達の集会を「Be-In」(ビーイン)と呼ぶようになります。ただの座り込みではなく、「自由な存在力」をアピールする集会が強調されたのでしょう。「Be-In」のムーブメントは瞬く間に全米に広がりました。
 
最大の「Be-In」(ビーイン)は1969年の「ウッド・ストック」(40万人)となりました。ですから、この歌詞の中の「love-in」は”愛と平和の集会”と訳すのが一番のようです。 ”サンフランシスコでは夏に愛と平和の集会がありますよ”、つまり「モントレー・ポップ・フェスティバル」のことです。
 
People in motion 
 
人々は活動をしています・・・・何の活動か?  People in motion(of love-in) 人々は集まって”愛と平和”を謳う活動をしています。 そして、歌詞の中の”sanFrancisco サンフランシスコ”を”Monterey モントレー”に置き換えると、ジョン・フィリップが「モントレー・ポップ・フェスティバル」開催の為に書いた曲だと言うことが分ります。
 
曲の中盤、”People in motion”と繰り返す辺りで、インドの楽器”シタール”の演奏が挿入されているのが分りますか?
これは2年前の”ビートルズ”の作品「ノルウェーの森」の影響を受けたのだと思われます。この「ノルウェーの森」の中でジョージ・ハリスンが”シタール”を弾いています。 当時、ヒッピーは”ビートルズ”の影響を受け、東洋の思想や宗教が紹介され、広がっていたこともあって”シタール”の調べを、曲の中に取り入れたのでしょう。
 
スコット・マッケンジーは難病を患い、2012年8月、73歳で亡くなりました。 そして当時のヒッピー達も現在、70歳~75歳を越えた頃だと思うですが、今はどんな生活を送っているのでしょう。 うっちゃんが3~5年早く生まれ、サンフランシスコで育っていたとすれば、おそらくヒッピーの仲間に入ってますね。 当時の時代背景、そして自分の性格からすると、何となくそう思うのです。
 
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